昔も今も「負けの連続」だけど...... 幸せかどうかを決めるのは何? ギャンマネ(18)
行き当たりばったりの私の半生から、お金の心配をしないですむ方法を考えるこの連載。第一章の終わりに教訓を振り返ります。
公開日:2024/11/06 02:01
連載名
ギャンマネさて、これまで私の愚かな青春記をお読み頂きましたが、ここまでを第1章としました。
この連載は「ギャン妻が教えるお金の心配をせずに済む方法」なので、ここで一度振り返りをしたいと思います。
読者の方はすでにお気づきの通り、第1章までの私の人生は、お金の心配をしないどころか、お金の心配ばかりしたあげく、自分の本当の幸せというものがわからなくなり、目先の刺激に振り回されてきました。
ギャンマネ読者の方々には「あれ、本当の話なんですか?」と言われますが、本当どころか、実際にはもっと刺激的なことが沢山ありました。でも私はいつも不安で、せつなくて、人生なんかいつ終わってもいいと思っていました。
当時は、ノストラダムスの大予言がまだまことしやかにささやかれていたので、「どうか、予言が本当でありますように。この世が早く終わってくれますように」と祈っていたくらいです。
では、なぜ私はあんなにも不安で、目先の刺激で自分の生き方を見ないようにごまかしていたのでしょうか。振り返ってみるとその理由はたった一つ「自分に自信がなかったから」だと思います。
「負けの連続」だった私の人生
私の人生は、負けの連続でした。
中学になってからは、勉強もついていけなくなり、家は貧乏でダサくて、学校ではいじめにあい居場所がない。高校時代は、中学での失敗を繰り返すまいと、人の顔色をみながらビクビクして、必死にスクールカーストの上位にしがみつこうとしていました。
そのうち華やかなバブル時代になると、世間の女子達は強気に3高(背が高い、学歴が高い、給料が高い)の男達を捕まえようと、着飾り、派手なステージへと出かけていきました。けれどもルックスも、学歴も、家柄も、全てに自信のない私は、精一杯お嬢様っぽく振る舞いながらも、そこそこのレベルの男を捕まえゴールします。
結婚しこれでやっと、安定した暮らしを手に入れ幸せになれるのかと思ったら、心が全く満たされない。こんなはずじゃなかったと、遊びに精を出しているうちに、バリ島に行き着き、結局家を飛び出してしまいました。
幸せになりたいといいながら、幸せになろうとする人の行動ではないですよね。
今も負けているのに、幸せな理由
では今はどうなのか?と言えば、今も負けの連続です。
国に向かって、ギャンブル産業に向かって、ギャンブル依存症対策の強化を訴えていますが、現実にはほとんど進んでもいないし、私の声など全く届いてもいない、無視され続けています。公益性を持った活動をしているNPOなどの貸借対照表なんかを見ると、1桁も2桁も違い、助成金や補助金が何でこんなに貰えるの?と、自分の不甲斐なさと、要領の悪さ、リーダーとしての資質のなさに、地団駄踏んで悔しがることもあります。
でも、今の私は自分の人生を大事に思えるし、それなりの自信も、自尊心も持っています。そしてこんなにも要領悪く、泥臭いリーダーである私なのに、沢山の仲間に愛されているという自負もあります。
むしろ今の私は「みんな私のこと好きだよね」と基本的に思ってしまうので、時々違ったりするとビックリするくらいです。
「自分の生かしどころ」を見つける
では、過去の自分と今の私、一体何が違うのでしょうか。
それはひとえに、「自分の生かしどころを見つけたから」としか言いようがありません。
過去の私は、親や世間の価値観に自分を合わせようとしていました。
「良い学校を出て、良い会社に入って、良い男を捕まえて、安定した生活を手に入れる」
これが人生のゴールであり指針でした。親の口癖は「世間を見返せ」だったのです。
でもそれは自分の資質や価値観と全くあいませんでした。だからいつも自分自身に大きく×をつけていました。
今の私は、ロクに収入のない、あってもみんな活動費に突っ込んでしまうような、経済的には全く割に合わない仕事をしています。我が家の家計を支えてくれている夫の職業は、小さな会社の経営者で、こちらも安定とは真逆です。しかも私は厚生年金なんていう社会のシステムをあんまり意識していなかったので、東大秘書時代から長い間国民年金だけできてしまいました(当時のシステムでも選べば厚生年金には入れたらしい)。だから老後も全く安泰ではないですよね。
しかも団体を立ち上げたときに、個人で320万円をカードローンで借り入れして運転資金にしたのですが、なんせ収入がロクにないので、それが10年経ってもまだ終わってないんです。
普通の会社なら、運転資金を共済とか中小企業なんちゃらかんちゃらみたいな色んな貸付制度もありますが、うちみたいに収入の見込みがない、活動費で使うばっかりの団体なんかに貸し付けなんかしてくれないじゃないですか。だから利子が14%くらいある、普通のカードローンを立ち上げ資金にしたんです。しかも最初の頃は運転資金がなくなる度にそこから借り入れしていたので、自転車操業だったんですよね。
この4、5年で仲間達が寄付で支えてくれるようになり、やっと活動資金が回るようになって借り入れしないで済むようになりました。
自由に動き回れる今の自分が大好き!
こんなに危なっかしい生活なのに、今の私は全く不安じゃありません。
大企業に勤め、安定した収入を得ていたときには、あんなに不安だったのに不思議ですよね。しかもこんな間抜けなリーダーもなかなかいませんが、今の私はそんな自分が大好きです。
私の資質は、長いものに巻かれろ的な、大きなもの、強いものの庇護の下にいるよりも、自由に動き回れ、自分の発想を試せる生き方の方が、ずっとずっと心が安定しているのです。国やギャンブル産業という巨大な力に飲み込まれ、全てを失い苦しんでいる仲間達を助け出そうと創意工夫で立ち向かっている自分が好きなんです。
そして自分を好きになり、自信が持てるようになると、先取り不安がなくなり、同時にお金の不安もなくなりました。「今、大丈夫なんだから、将来も大丈夫だな」と思っています。
私の人生前半戦から導き出した教訓5つ
第1章の私の生き方からの学びをまとめてみました。
- 他人や世間の価値観の中で生きていると、自分の望みや生き方が見えなくなるので常に不安になる。
- 不安を解消しようと他者と自分を比較していると、上には上がいるので、ますます不安になる。
- 自分の気持ちを「間違っている」とないがしろにしていると、ストレスが溜まり依存症他メンタルに不調が出たり、周りとの軋轢が絶えずますます孤独になる。
- 不安になると「頼れるものはお金だけ」という思考に陥り、貯め込むことだけに必死になったり、お金持ちや権力者に従うしかないと諦めたり、自分とは価値観の合わないパートナーと離れられなくなる。
- 自分に満足できなければ、いくらお金があっても不安は消えない。
そう、お金の心配って実はお金の有無そのものの心配じゃないんですよね。心配している人は、お金があっても不安は消えないんです。問題は「自分で自分の人生をデザインし、寿命が尽きるまで生き抜いていける」という自信があるかないかなんです。
でもこの自信って簡単に身につけることなんかできないですよね。だからこそこのギャンマネはどうやってその自信をつけるのか?というお話をしたいと思います。
でも、よく言いますよね、夜明け前が一番暗いって。そうなんです。人って残念ながらピンチからしか学べない生き物なのだと思うんですよね。
第2章では、今の夫に出合い2人でギャンブルにドハマりし、そこから変わっていく姿を書いていきますので、是非また応援して下さいね。
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