衝撃!警察庁発表オンラインカジノの実態 10代の6割以上が借金を抱える事態に
警察庁が初めて行った違法なオンラインカジノの実態調査。10代、20代という若い世代が食い物にされ、借金を抱えている現状が明らかになりました。

公開日:2025/03/14 06:17
ついに警察庁がオンラインカジノについて大規模調査を行い、詳細が発表されました(オンラインカジノの実態把握のための 調査研究の業務委託 報告書)。支援の現場としてはわかっていたこととはいえ、衝撃的な内容です。
また私たちが常々訴えてきた内容が、この調査で裏打ちされました。ギャンブル依存症問題を考える会(以下「当会」)が2025年3月7日に出したオンラインカジノから依存症になり、現在、支援に繋がっている93名のデータについてもホームページにUPしておりますので、記事と合わせてご覧ください。
若者が被害者!1割のハイリスク群が7割を売り上げる
まず、すでに様々な記事になっていますが、オンラインカジノ経験者の推計は約337万人、年間の市場規模は1兆2423億円とありました。日本のアフィリエーターなども加担していますので、すべてではありませんが、これだけの違法マネーが税金も払わず、日本の若者を食い物にして海外に流出しました。
私たちは、オンラインカジノの被害者は「若者」と言い続けてきましたが、これが今回の調査でもはっきりしました。
オンラインカジノの経験率の年代別推計では、10代 3.26%、20代 8.66%、30代6.66%、40代 3.77%、50代 1.58%、60代 1.10%、70代 0.68%でした。20代、30代という若者が突出して多く、これは我々の現場感覚と一致していたのですが、ショックを受けたのは10代への広まりです。ただでさえ人口の少ない10代のうち3.26%も手を出していたとなると、これはもう依存症になる可能性がかなり高くなりますから、教育現場での周知及びギャンブル依存症教育が喫緊の課題となります。

私たちの研究でも、ただのギャンブル愛好家にとどまれる人と、ギャンブル依存症者となってしまう人とでは、ギャンブルの開始年齢に圧倒的な差があることがわかっています。

さらに、1か月あたりの平均賭け金ですが、10万円未満の利用者が86.8%を占めています。ただし、なんとこの9割弱の人の売り上げは全体のおよそ3割でしかなく、残り13.2%の人が残りの7割の売り上げをあげていました。この人たちの大半がおそらく依存症者であり、その1割のハイリスク群が当会に繋がってきているのだと考えられます。
日本をターゲットにしたオンラインカジノと広告問題
調査では、オンラインカジノを知ったきっかけとして「テレビ」をあげた人が64.5%と最も多くいました。そしてこのTVで盛んにCMが行われていたのが有名サッカー選手を起用した「ベラジョンカジノ」です。
なんとこの「ベラジョン」及び、同じくサッカー選手を広告塔に起用していた「優雅堂」は、日本からのアクセスが大半を占め、ベラジョンが96.18%、優雅堂が99.66%となっていました。TV、ラジオといったオールドメディアが、違法オンラインカジノの広告に加担した影響は大きく、このことを真摯に反省し、逆に番組等でオンラインカジノにより依存症となった人たちの救済に手を貸して頂きたいと思います。
また私が現在最も懸念しているのは「プレイオジョ」です。こちらはいまだに全く悪びれずに、青汁王子が無料版の広告塔になっています。無料版とうたっておきながら悪質な仕組みで、青汁王子の写真がどーんと載っているページから「今すぐ登録」とすると、有料版に誘導されるのです(2025/3/13現在)。

そしてこの「プレイオジョ」は日本向けサイトが存在し、日本からのアクセスが100%となっていました。他のインフルエンサーは今回の件でいち早く、オンラインカジノの広告塔を降りてくれましたが、なぜ青汁王子はいまだに広告塔を続けているのか理解に苦しみます。インフルエンサーは一刻も早く、違法オンラインカジノの片棒を担ぐのをやめて頂きたくいと思います。
オンラインカジノと依存症
調査では、オンラインカジノ経験者500名に対し、消費者金融や家族・友人・知人に借金をしたかどうかの有無も聞かれていますが、実に46.2%が「はい」と答えていました。
割合を見てみると、10代が61.1%、20代が53.3%、30代が54.9%、40代が36.6%、50代が33.3%、60代が20.0%、70代が17.6%となっていました。10代から30代までは、実に50%越えの借金率で、10代の61.1%の借金率は衝撃的です。収入の少ない10代は借金にまっしぐらとなり、「闇バイト」などの犯罪に巻き込まれる率も高くなります。

さらにこの500名に自身のギャンブル依存症について、「そう思う」と答えた人は全体で22.8%であり、「少しそう思う」は36.8%に達しました。否認の強い依存症者が、半数以上も自身のギャンブル依存症に疑問を持っているということは、既に借金で追い詰められている可能性もあります。

「オンラインカジノは違法」とそればかりを強調すると、今度は手を出した人たちが相談に来られなくなってしまいます。違法の啓発とともに、「すでにやめられなくなってしまった人は、ギャンブル依存症の支援機関へ」と啓発する必要があり、特に10代、20代の若者には集中して救い出していく手立てを講じていく必要があります。
オンラインカジノの蔓延は国の無策が原因
オンラインカジノがこれほどまでに蔓延したのは、諸外国に比べて国が全くの無策であったことが大きく、日本がサイバー犯罪、特に海外勢から違法行為を仕掛けられると、対抗措置が非常に脆弱であることが判明いたしました。
また、オンラインカジノの広告費は破格であったと聞いており、インフルエンサーがオンラインカジノをスポンサーにして様々な若者に人気の企画を仕掛けていたこと、それだけでなくTVやラジオといったオールドメディアまでが「無料版」という言い訳で目をつぶり、違法行為に加担してしまうという信じられない事態に陥りました。
こうなってくると我が国は本当にギャンブルに対する政策的な舵取りはできるのか?はなはだ疑問です。
大阪IRこのまま開業したら危なくないか?
これから大阪IRが開業しますが、依存症問題の対策はいまだ手立てがされておらず、このまま開業に向かって良いのか?今一度国民全体で考える必要があるのではないかと思います。
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