Addiction Report (アディクションレポート)

依存症は言い訳?それとも病気? 大槻ケンヂと語る回復と“いい依存”(後編)

筋肉少女帯・大槻ケンヂさんとの〈依存症啓発対談〉後編。月乃光司と大槻さんが、依存症の治療や回復について、肩の力を抜いて話し合います。

依存症は言い訳?それとも病気?  大槻ケンヂと語る回復と“いい依存”(後編)
大槻ケンヂさん

公開日:2026/02/22 02:01

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筋肉少女帯・大槻ケンヂさんとの〈依存症啓発対談〉後編。月乃光司と大槻さんが、依存症の治療や回復について、肩の力を抜いて話し合います。

後編では、自助グループによる回復の道のりや再発をめぐる誤解、そして還暦を迎えた二人が考える「夢中になれるもの」との付き合い方がテーマに。

依存症は人格の問題ではなく、回復できる病気——そんなメッセージが、自然とにじみ出てきます。

回復のプロセスとは

大槻 そこで、具体的なプロセスについても、少し聞きたいんですけど。回復のプロセスって、ざっくり言うと、どういう感じなんですか?

月乃 私は、依存症治療としては、すごく分かりやすい、ある意味、王道のルートでした。依存症専門の精神科病棟に入院して、

それから、当事者会。いわゆる「お酒を飲まない生き方を目指す」アルコール依存症の自助グループ(注1)につながったんです。

33年、通い続けている場所

大槻 あれですか。よくあるグループセラピー。映画とかでも、アメリカ映画なんかで、よく見ますよね。

月乃 今も、そこに通っています。27歳で病院につながって、今60歳なので、もう33年も続けています。他にも、飲酒欲求を抑える薬も開発されていますし、定期的に通院したり、カウンセリングを受けたりして、酒をやめている人もいます。

大槻 完全に治療なんですね。

依存症は、人間性の問題ではない

月乃 依存症は、人間性の問題だと言われがちです。例えば、糖尿病も、なるのは体質が主原因です。食生活も原因の一つです。一度なってしまえば、治療は誰でも同じじゃないですか。

同じ話を、何度も語る理由

大槻 自助グループって、お酒での失敗談を語り合ったりするんですよね。何回もやっていると、ネタが尽きてくるんじゃないか、って思うんですけど。それって、どうするんですか?映画を見ていても、同じことをずっと語っている印象があって。

月乃 酒を飲んでいた過去の話は、同じになってきますね。

大槻 それって、メンバーが入れ替わるから、成立するんですか?

月乃 そうですね。新しい仲間は、やっぱり増えてくる。病院を退院したばかりの人が、つながってくることもあります。

大槻そうすると、言ってみれば、なじみのネタなんだけど。新人さんにとっては、それが初めての話だから、通じるんでしょうかね?

月乃 そうですね。そして、過去の飲酒にまつわるどん底話を繰り返していると、酒を飲んだら自分がどうなるか、という再確認になって、断酒の動機付けを継続できます。

大槻 なるほど。

話すことで、少し笑えるようになる

月乃 話す、という行為を繰り返すことによって、だんだん、面白おかしくなっていく、という側面も、多少はありますよね。

大槻話せば話すほど、「自分伝説」みたいなものが出来上がっていく。この話を、ここを強調すればウケる、みたいな。

月乃 あります(笑)。

行き着く先は、孤独と孤立

月乃 アルコール依存症の人の話って、いろいろ違うようで、基本、似ているんですよね。もちろん、性別も違うし、背景も全然違いますが、最後は、孤独とか、孤立に行き着くことが多いですね。

トンデモ話、ありますか?

大槻  共感はできるんですけど、とんでもない話って、ないんですか?そういう話をして、「そこ行く?」みたいな。トンデモ系みたいな?

月乃 若い男性のアルコール依存症者が、一人飲みになって、過剰なオナニーにふける話は、よくありますね。私も、かなりそうでした。

大槻さんの小説でも、依存症とは違いますが、『グミ・チョコレート・パイン』(注2)グミ編とかに書いてありますよね。共感しましたっ!

大槻 若い頃はね。若い頃は、誰でも、誰でもそうですね。

将棋に、酔う

月乃 最近、そういえば、面白かった例があって。「将棋依存」の男性と、お会いしましたよ。

大槻 将棋依存(笑)!

月乃 将棋が、すごく強い人で、町の将棋道場に行っても、かなり勝つそうです。ネット将棋で、いろいろな人と対戦しても、かなり勝つ。相手が強ければ強いほど、詰んでいく過程で興奮して酩酊するそうです。ドーパミンが出るんですね。

楽しんでいるだけなら問題ないのですが、会社の面接とか、親の葬儀とか、プレッシャーがかかるときほど、将棋道場に行ったり、ネット将棋を指している。3日間、まったく寝ないで続けたこともあったそうです。

将棋依存の治療は、どこに着地する?

大槻 将棋依存の人は、どういう治療を受けるんですか?

月乃 その人は、ギャンブル依存症の自助グループで回復していました。ギャンブル依存症と構造は一緒ですね。

トンデモ治療、入り込む余地はある?

大槻 依存症には、各種の自助グループが効果があるのは分かりました。

一方で、依存症医療の中には、いわゆるニューウェーブ的なものや、ちょっと怪しげなオカルトっぽいものも入りやすい。スピリチュアルとか、オカルトが入り込む余地がある、そういう派閥もありませんかね。いわゆる、トンデモ系はありませんかね?

月乃 大槻さん、トンデモ系が好きですね(笑)。

大槻 例えば、祈祷で治すとか、「悪魔がついている」みたいな解釈で、悪魔払いをするとかは?

「デンパチ受けた」って、最初はパチンコかと

月乃 私の自助グループの大先輩から聞いた話では、大昔は、アルコール依存症の治療に、頭に電気を流す電気ショック療法(注3)を受けた人がいましたね。「デンパチ受けた」って言うんで、最初はパチンコのことかと思いました。

大槻 あぁ、映画の「カッコーの巣の上で」(注4)で出てくるやつですね。

月乃 今は、しないですよ。ぶっちゃけ「治します」商法、怖いよね

大槻 ぶっちゃけ、「依存症を治します」って言って、ちょっとそれはどうなの、っていうものはありませんかね? トンデモ系なものは?

月乃 やっぱり大槻さん、トンデモ系が好きですね(笑)。ロックバンドをやるとか、みんなで炭焼きピザを作るとかは、ありますね。これは怪しい話じゃなくて、新潟県で、ものすごい治療効果を上げている精神病院があるんですよ。院長先生がロック好きで、入院患者と院内でバンドをやる。炭焼きの窯が病院にあって、ピザを焼いて、みんなでピザを食べる。

大槻 あっ、それは正解だと思いますよね。ロックが、依存症治療ですね。

月乃 要は、今まで孤立して、共同体感覚がないんですよ。そこで、人間の触れ合いみたいなものを学ぶ。現実世界で、「いいね!」みたいなことを感じる。

「完全に治すから!」で、お金をごそっと…には要注意

大槻

そんな正しい依存症治療の隙間で、依存症でお金を持ってるやつに近づいて、「完全に治すから!」って言って、ごそっとお金を持って消える、みたいなのは……。

月乃 それは……(苦笑)。

大槻 いや、僕ね、危険な感じがするんで。そこは狙い目だと思って。悪いやつらが入ってきたら。もう、お酒とかギャンブルとかで、どうにもこうにもならなくなって、テンパってるやつのところに行って、「それは病気だから、依存症だから、それは治せるから」って。先にお金を振り込ませて、全部一切合財、持ってっちゃう。

それは、ちょっと気をつけた方がいい気がする。

月乃 それ、私がやりたいです(笑)。次のビジネス展開として……というのは冗談ですが。

依存症は「自覚がない病気」なんです

月乃

現在進行形の依存症当事者って、自分を病気とか依存症だと思っていないんですよ。

大槻 そうなんですか。依存症の人は自覚がないんですか?

月乃依存症者って、自覚がないんです。否認の病気なんで。私も、20代半ばにはアルコール依存症だったと思うんですけど、それを認めるまでは、結構、時間がかかりました。自分の中に「生きづらさ」みたいなのがあって、それが解決すれば、別にお酒もコントロールして飲める、と思っていた。

大槻 なるほど、そうかぁ。

「依存したなぁ」と思うものは?

月乃 大槻さんは、何か依存していることはありますか?

大槻 依存したなぁ、と思うのは、お酒は30代の頃とか、それなりに飲んでいて。でも、そんなに深酒するタイプではなかったんじゃないかな。最近になったら、飲めなくなっちゃって。もう一口飲んだだけで、ずーっと体がだるく、重くなっちゃって。「あっ、本当、年取ると飲めなくなるって、これか」と思って。

全然、お酒がダメです。月乃さんも、今飲んだら、逆に飲めないと思いますよ。

再飲酒は、進行が早い

月乃 アルコール依存症者は、長くやめていればいるほど、年をとればとるほど、再飲酒したときの病気の進行が早いようです。私の知人で、酒を長くやめていたアルコール依存症者は、再飲酒をして、何人か亡くなりました。私も今、飲みだしたら最悪の結果になるかもしれません。

大槻 そうですか!もともと、お酒を飲める人がなるんですよね、依存症って。中島らもさん(注5)も、そうだったけど。

月乃 もともと体質で、アルコールを分解する能力が高い人がリスクが高いです。

「酔っ払ってる人」がキャラクターだった時代

大槻 らもさんも、最後まで酒をやめなかったもんな。昔は赤塚不二夫さんとか、野坂昭如さんとか、いつも酔っ払っている様がキャラみたいな人って、いたじゃないですか。

今、考えると、彼らは依存症だったんですね。

月乃 周りの人々から愛されながら、好きなお酒を飲み続けて亡くなった、という物語ですね。でも、周りの人たちが当事者を依存症治療につなげることができなかった。失敗ですよ。

大槻 そう。僕も、らもさんの片隅にいさせてもらっていたけれど、「依存症ですから、飲まない人生もあると思いますよ」と周りが言ってあげれば、よかったのかもしれない。

でも、依存している人は、なかなか聞かないでしょうね。

周りができる「正しいアプローチ」

月乃 そうですね。まず周りが、アルコール依存症という病気を理解して、当事者に対する正しいアプローチを学ぶことが必要ですね。全国の精神保健福祉センターや保健所(注6)で、相談にのってくれます。

夢中になれるものを、ずっと探してきた

大槻 僕はだから、依存……逆に変な言い方だけど、依存できるものをずっと探して生きてきた気がします。「自分探し」なんて言うけど、多分、その自分って、何かに夢中になっている自分なんですよね。

だから、お酒じゃないだろうかとか、一回、ギャンブルを試したこともあります。でも、「いや、全然、こんなの勝つわけない」って。冷めちゃうんですよ。

月乃 私も、全然ギャンブル、こなかったですね。脳汁が、まったく出なかったです。他には、何かありましたか?

いろいろ試して、結局「ライブ」だった

大槻 えーとね、いろいろ健全なところでは、本を集めるとか。あとは、旅とか。いろいろ試したんだけど……。

今、一番、もしかしたら……最初に話も出たけれども、ライブですよね。

ステージは、いいですね。ライブは、「生きている実感」を感じますね。ライブだけは、僕は回数が割と多い方ですね。周りを見ていると、60代になって、47都道府県ツアーとか、60本ツアーを始める人が多くて。みんな、依存がついに高まってきたのかなって。バンドマンは、みんなそういう人が多いですね。

月乃 とても「いい依存」だと思います。

大槻 お客さんも喜んでくれるし、経済活動でもあるし。

「中の下」でも、続ければ届く場所がある

月乃 私も、メンヘライベント「こわれ者の祭典」(注7)を、もう……23年ぐらいかな、やってるんですよ。私、パフォーマンスで「絶叫朗読」ってやってるんですけど、影響は大槻ケンヂさんです。大槻さんの真似をして、自分の書いた詩を叫ぶスタイルで続けています。そして、続けていく上で、大槻さんの言葉がすごく支えになっていて。

大槻さんがエッセイで、「どんな人でも、長く続けていれば、中の下ぐらいにはなれる」(注8)って、書いてましたよね。

大槻 あぁ、書きましたね。

月乃 実際、「中の下」ぐらいのポジションでも、新潟から出てきて、新宿ロフトプラスワンで、年に一回ぐらいイベントができる。我々のサブカル世代には憧れの場所で、そんなに動員は多くはないですけど、大槻さんに、続けていくことの価値を教えてもらったんです。生きづらい人は、まずロフトプラスワンに出よう(笑)。

大槻 だから、生きづらいとか、何か依存があるとか、そういう人は、本当……まず、新宿ロフトプラスワンに出るといいですね(笑)。阿佐ヶ谷ロフトAからでもいいし、ロフトナイン渋谷でもいいし。あとは、高円寺パンディット(注9)からかな(笑)。

月乃 その近くに、もの凄いアングラなライブハウスが高円寺にありますよね。無力無善寺(注10)です。無力無善寺では、どうですか?

大槻 無力無善寺って、まだあるんですか!

月乃 ありますよ。

もう一人の「命の恩人」ターザン山本

月乃 この間、すごく画期的なことがあって。今日は、大槻さんにお礼を言いましたけど、私の中で、もう一人「命の恩人」がいるんですよ。

大槻 ほぉ、それは誰ですか?

月乃 『週刊プロレス』元編集長の、ターザン山本さん(注11)です。私が引きこもっていた時に、大槻さんの作品と同じように、毎週、ターザン山本さんが編集長時代の『週刊プロレス』を見ることで、生き長らえていたんです。

大槻 いや、分かりますよ、それ。僕もプロレス、好きですから。

観客ゼロのプロレストーク、爆誕

月乃 そして、縁あって、昨年、無力無善寺でターザン山本さんとプロレストークのライブをやったんです。

大槻 マジで? それは見たかったなぁ!

月乃 私がイベント活動を23年間やってきて、初めてのことが起きた。観客ゼロ。観客ゼロを経験したのは、初めて。

大槻 やりましたねぇ!やりましたねぇ!マジすか?

月乃 厳密に言うと、フォークシンガーの三上寛さん(注12)がメインで、その前座が、私とターザン山本さんのプロレストークだったんです。観客が二人。その二人に聞いてみたら、「三上寛さんを見に来た」と言っていて。俺とターザン山本さんの動員は、ゼロ。完全なるアウェイです。

大槻 マジですか?それはもう、プロレスでいう無観客試合ですよ。巌流島の戦い(注13)ですよ。アントニオ猪木対マサ斎藤ですよ。ある意味、プロレス的には、間違ってない。

推し活と「unknown」と、79歳の怒り

月乃 そして、ライブのプロレストークでは、山本さんと「推し活」の話をしたんです。私は今も大槻さんの大ファンだし、あと、女子プロレスラーの安納サオリ(注14)を推しているんです。

大槻 あぁ、安納サオリ……。

月乃 それで、ターザン山本さんが、安納サオリと対談したことがあるらしくて。そして安納さんに、「安納サオリ 写真集 unknown」という、セミヌードのセクシー写真集をもらったらしいんです。で、私が言ったんです。「私も、もちろん『unknown』は持っていますが、『推し』に対しては、性的な視線では見ないようにしている。神聖な『推し』に対して、性的な視線で見ることは失礼なんです。

ですから、まるで美しい風景、夕日とか、山々の写真を見るように、『unknown』を見ているんですっ!」と話したら、山本さんが、「それは大馬鹿者だ! セクシー写真集だ! 自分に嘘をついている!」と怒りだしたんです。そんな話を、三上寛ファンの前で、一時間ぐらいずっと話してました(笑)。ちなみに、山本さんは79歳で、私は60歳なんですが(笑)。

大槻 それは、インディーズ・プロレスのように、「いったい、何を見せられてるんだ」っていう、その感じが、プロレス的に間違ってないですよ。

どうでもいい話:玉城ティナと上谷沙耶

大槻 プロレスというと、どうでもいい話なんですけど、YouTubeに、玉城ティナのオーディションの動画があって、あまりに玉城ティナが綺麗すぎて、他の出演者がみんな気まずい顔をするんですよ。で、その端っこに、よく見ると上谷沙耶(注15)がいる、っていう(笑)。それは、どうでもいいですね(笑)。

月乃 上谷沙耶が、アイドル時代の話ですね。

スターダム、新木場は「狭くて超いい」

大槻 僕も、スターダム(注16)、行ってましたよ。新木場ファーストリング(注17)に。アメリカに進出した宝城カイリとか、紫雷イオが出ていた時代ですね。

月乃新木場ファーストリングは、行ったことないんですよ。一回、行ってみたいですね。

大槻 凄く狭いんですよね。狭くて、超いいですよ。よく行きましたよ。

月乃 狭いとこで、まじまじと女子プロレスラーを見たい。もちろん、美しい風景を見るような視線です(笑)。

夢中になれるものを探し続ける、還暦の現在地

大槻 女子プロレス依存に、なれないかな、って思った時もあったんですけど、そこまではいかなかったですね。プロレスも、今メインどころの選手が、自分より何十歳も年下じゃないですか。まるで、高校野球を見てる感じですよね。僕は、夢中になれるものをずっと探し続けているんですね。

月乃 大槻さんも私も、還暦になりましたね。還暦になるにあたって、思うことってありますか。

大槻 そうですね。自分の人生を振り返ると、依存に絡めて言うなら、依存できるもの、夢中になれるものを、ずっと探してきた60年だったな、と思います。それが、依存になってはいないけど。でも、まだ60。人生、100年、生きるかもしれない。あと何十年か探し続けて、やっと見つけて、それにハマって、もし依存症になったら。

その時は、自助グループに行けばいい(笑)。

月乃 なるほど(笑)。

そして最後に、性欲と肉の話になる(還暦)

大槻 それが、何なのかは、これからなんでしょうね。将棋ではないと思います(笑)。酒でも、女子プロレスでもなく。性的なものも……年齢的に、本当に興味が薄れていくんだっていう衝撃がありますよね。だから、自分がやっている「ロック」に、依存できるようになれれば、それが一番いいのかな、と思っています。

月乃 大槻さん、同じ還暦ということで、おおむね共感してるんですけど、一個だけ、共感できなかったところがあって。私も還暦なんですけど、性的な欲求が全然、衰えないんですよ(笑)。

大槻 素晴らしい! 素晴らしいじゃないですか!

月乃 いや、それが逆に、やばいんじゃないかと(笑)。

大槻 僕は、お酒も飲めなくなってきたし、肉も食べられなくなってきて。食事関係とか、性的なものとかに、どんどん興味がなくなっていくことに、ちょっと恐怖を感じているんです。

月乃 私は、肉をただひたすら食いたいんです!肉を食えば食うほど栄養になって、性的な欲求が高まります。でも、老人ホームに入って、女性のヘルパーさんを性的な視線で見るおじいちゃんには、なりたくないですね(笑)。美しい夕日を見るような視線で、ヘルパーさんを見たいですね(笑)。

大槻 いい話ですね(笑)。

(終わり)


注1 自助グループ

同じ問題を抱える当事者同士が定期的に集い、体験を語り合う回復支援の場。アルコール依存症では断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)などが知られる。

注2 『グミ・チョコレート・パイン』

大槻ケンヂによる小説シリーズ。思春期の性衝動や不安、衝動性をユーモアとリアリティを交えて描き、多くの共感を集めた作品。

注3 電気ショック療法

正式には「電気けいれん療法(ECT)」と呼ばれる精神科治療の一つ。全身麻酔下で脳に電気刺激を与え、けいれんを起こすことで症状の改善を図る。現在は重度のうつ病など限られたケースで、安全管理のもと行われている。

注4 『カッコーの巣の上で』

1975年公開のアメリカ映画。精神科病院を舞台に、管理と自由、正常と異常の境界を描いた作品。主演はジャック・ニコルソン。第48回アカデミー賞において、作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞の主要5部門を受賞した。

注5 中島らも

兵庫県尼崎市生まれ。大阪芸術大学放送学科卒。1「朝日新聞」に連載の「明るい悩み相談室」で注目される。小説・エッセイ・脚本はもとより、講演・ライブ活動・と活動は多岐にわたった。「こわれ者の祭典」東京公演ゲスト出演。2004年、階段から転落し、脳挫傷、外傷性脳内血腫のため死去。享年52。

注6 精神保健福祉センター・保健所

各都道府県や政令指定都市に設置されている公的相談機関。精神疾患や依存症に関する相談を、本人だけでなく家族や周囲の人からも受け付けている。依存症に気づいたときの、最初の相談先として重要な窓口である。

注7 こわれ者の祭典

アルコール依存症、摂食障害、引きこもり、不登校など、さまざまな「生きづらさ」を抱えた当事者が、自身の体験をもとに詩の朗読やパフォーマンスでメッセージを届けるイベント。代表は月乃光司。東京・新宿ロフトプラスワンをはじめ全国各地で開催されている。深刻なテーマを扱いながらも、ユーモアと笑いを大切にしているのが特徴。

注8 「どんな人でも、長く続けていれば、中の下ぐらいにはなれる」

大槻ケンヂのエッセイ集『サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法』(太田出版)にある一節。

注9 新宿ロフトプラスワン/阿佐ヶ谷ロフトA/ロフトナイン渋谷/高円寺パンディット

トークイベントやライブ、上映会などを中心に展開するカルチャー系イベントスペース。音楽・プロレス・映画・文学・社会問題まで幅広いテーマが扱われ、サブカルチャーやアンダーグラウンド文化の発信拠点として知られる。

注10 無力無善寺(むりょくむぜんじ)

東京都杉並区・高円寺にある、極めてアンダーグラウンドなライブハウス/イベントスペース。商業性や動員を度外視した表現が許される場として知られ、パンク、アングラ演劇、朗読、即興パフォーマンスなどが日常的に行われている。オーナーは無善法師。無善法師は「こわれ者の祭典」に社会不適格者自慢として出演。

注11 ターザン山本

1946年、山口県生まれ。77年、新大阪新聞社に入社し『週刊ファイト』でプロレス記者としてスタート。80年にベースボール・マガジン社へ移籍。87年に『週刊プロレス』の編集長に就任し、同誌発行部数40万部を達成する。また、“活字プロレス”“密航”などの流行語を生む。96年8月に同社を退社後、フリーとして活動する。

注12 三上寛(みかみ かん)

1950年3月20日青森県北津軽郡小泊村(現・中泊町)に生まれる。67年同郷の詩人、寺山修司などの影響を受けて現代詩を書き始める。 69年ライブ活動開始。71年レコードデビュー。タブーな性言語、日本の呪われた風習を題材にした「怨歌」を歌いセンセーショナルを巻き起こし、 日本を代表するフォークシンガーとして確立した。

注13 巌流島の戦い

1987年10月4日、日本で最初の「無観客試合」として実施されたプロレス試合。アントニオ猪木VSマサ斎藤が巌流島で戦った。なおテレビ収録、特番として全国放送された。

注14 安納サオリ(あのう さおり)

クールな雰囲気とビジュアルの良さで人気の女子プロレスラー。女優を目指して滋賀県から上京し、舞台などで活躍したのち、2015年にアクトレスガールズでプロレスデビュー。フリーを経て現在はスターダム所属。月乃、曰く「日本一のプロレスラー、日本一の表現者」。

注15 上谷沙弥(かみたに さや)

女子プロレスラー。EXILEサポートダンサーやバイトAKBなどで活動後、2019年にプロレスデビュー。「悪役だけど本当は良い子」キャラで、地上波テレビのバラエティー番組でブレイク。知名度と動員力は男子プロレスラーを超す。

注16 スターダム

日本の女子プロレス団体。別名は「WORLD WONDER RING STARDOM」または、「スターダム女子プロレス(STARDOM Women's Pro-Wrestling)」[4]。

注17 新木場1stRING(ファーストリング)

東京都江東区新木場にあるプロレスや格闘技の常設会場。キャパ284名。

【大槻ケンヂ(おおつき・けんぢ)】

1982年、ロックバンド「筋肉少年少女隊」を結成。その後、改名し「筋肉少女帯」で1988年にメジャーデビュー。1999年、「特撮」を結成。2006年からは「筋肉少女帯」と「特撮」にて活動。バンド活動のほか、エッセイ、作詞、テレビ、ラジオ、映画など幅広く活動し、作詞では多くのアーティストに歌詞を提供している。「大槻ケンヂと絶望少女達」、「電車」など、多数のユニットや弾き語りでもLIVE活動を行う。

【月乃光司(つきの・こうじ)】

1965年生まれ。高校入学時より対人恐怖症・醜形恐怖症により不登校となり、通算4年間のひきこもり生活を送る。自殺未遂やアルコール依存症により、精神科病棟に3度入院。27歳で自助グループにつながり、以来、酒を飲まない生き方を続けている。現在は会社員として働くかたわら、「生きづらさ」を抱える人々に向けて、執筆・朗読・イベント運営などを通じてメッセージを発信している。著書に、西原理恵子との共著『お酒についてのマジメな話~アルコール依存症という病気~』(小学館)。心身障害者のパフォーマンス集団「こわれ者の祭典」代表。ASK依存症予防教育アドバイザー。弁護士会人権賞受賞。

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