Addiction Report (アディクションレポート)

自助グループで掘り下げた我が家の闇 募る憎しみから向かった新たな依存先は? ギャンマネ(42)

自助グループで過去を振り返るうちに、気づいていった「我が家の闇」。親への憎しみが募り、そこから逃げるように向かった、新たな依存先は?

自助グループで掘り下げた我が家の闇 募る憎しみから向かった新たな依存先は?  ギャンマネ(42)
実家の雑貨屋の前で母に抱かれた幼い頃の私。 私を溺愛した母は、過干渉で私をがんじがらめにしていた。

公開日:2026/03/31 00:29

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ギャンマネ

自助グループに通い、自分の心の中を言語化していくことに励んでいると、自分では全く気付かなかった自分が現れます。

人間、自分の行動について、そうそう深堀りしないじゃないですか。自分は常識的で、自分の考えはごくごく一般的ですよね、と誰しもが思っていると思うんですよね。

ところが自助グループに来ると、それがそうでもないんだなということ、人には考え方がそれぞれあって、みんな違ってみんないいんだと金子みすゞさんのようなことを学んでいくんです。

マジで私は自助グループに来て、心の深いところの話をするようになって、世の中の人って、こうも自分とは違う考えなんだということに驚愕しましたね。

「相手は変えられない。変われるのは自分だけ」

例えば私の場合、天下一品気が短いし、ものすごく合理的です。とにかく無駄な動きを強いられたり、謎のルールに従うってことが苦手です。だからいまだに「印鑑を押してください」なんて言われるとイラっときます。「100均で売ってる三文判を押すことで、一体どんな安全が守られるっていうんですか?」と詰めたくなります。

でも世の中には「そういうルールを守っていれば、こっちの責任は回避できるんだからやっときゃいいじゃん」と思う人とか、「ルールがあるから安心」みたいな人っているんだ!ってことは大発見でしたね。

しかもかつての私ならそういう違う意見の人を論破したくなっていましたが、自助グループは「なるほどねぇ、そういう考えもあるんだ」と受け入れていくように心が鍛えられていきます。なんせ「言いっぱなし。聞きっぱなし」ですから忍耐力が付くわけですよ。「んな、アホな!」とか「そういうところだぞ!」なんて突っ込みは入れられず、じっと聞くという訓練をしていくわけですから。

自分が迎合する必要もないけど、「相手を変えようとしない」というのは、慣れてくればこんなにも楽なんだってことを学びましたね。

この「相手は変えられない。変われるのは自分だけ」という学びを得て、それを深めていったことは、私の自助グループ体験で一番のお得情報だったと思います。合理的な私にマッチしましたね。

特にこういう活動をしていると政治的な関わりが増えてきますので、「なんでこの国はこんなアホな法律が通っちゃうんだ!」と思うことや「なんでこの国はこの法律がないんだ!」と思うことが度々あります。でも、そこに拘泥していても苦しくなるだけなので、「じゃあ私はどう動いて、何を訴えていけばいいんだ?」と切り返すことができるようになりました。

自助グループに通ううちに気づいた「我が家の闇」

こうして私は、自助グループにどっぷりと浸かっていき、新しい考え方を学ぶことや、色んな人たちと出会うことに没頭していきます。と、同時に「我が家の闇」にも気づいていきました。

依存症問題を抱えた家庭って本当に不思議なもので、自分の家の問題が「これが依存症問題なんだ!」って分からないんですよ。すったもんだしている状況が当たり前だし、「依存症ってもっとホームレスみたいになってる状況じゃないの?」という誤解もある。

私も、親が離婚していてそれがどうやらギャンブルが原因だったらしいと知ったのは、大人になってからのことでした。一緒に暮らしていた祖父が毎日パチンコに行ってたのはおかしいとか、我が家はそれこそ私が幼稚園時代からお年玉をかけて花札や賭けトランプなんかをやっていたんですが、「普通の家はそんなことはしない。親が賭け事を教えたりしない」なんていわゆる「常識」に全く気付きませんでした。

だって、母も叔父叔母もみんなそういう祖父に育てられているんで、ギャンブルは最高の娯楽だと思っているんですよ。だから大人というのは全員博打をやるもんだと思っていました。そして私が子供の頃一番楽しかったことは、盆暮れ正月に従妹たちと集まると、一日中賭け事に興じていたことであり、それは大人の世界をのぞき見している優越感にもつながっていたんです。

噴出した親に対する恨みつらみ

ところが自助グループに来て「よく考えたら、小さな子供に花札や賭けトランプを教える親なんて変だよね」と気づいてしまうと、猛烈に親に対しての恨みつらみが出てきました。「あの家に生まれたから、私たちはギャンブル依存症になったんだ」「あんな育ちだから、ギャンブルに警戒心がなかったんだ」そう思うと、腹が立って腹が立って仕方ありませんでした。

そこで母親に「うちって子供にギャンブルを教えるなんて異常だよ」と文句を言うと、「こっちのせいにしないでよ」と母親も怒り爆発。売り言葉に買い言葉で、喧嘩が絶えなくなり、なんとこの後私たち親子は、同居しながら4年間も口を聞かなかったのです。

家族という近すぎる強く濃い結びつきというのは本当に不思議です。他人に対しては「あの人は変わんないよね」といくらでも思えます。「言っても仕方ないよね」「変われるのは自分だけ」と学びを実行することもできます。

でも、家族になると、その境界線が見えなくなり「わからせてやる」「謝らせてやる」と執着し、パワーゲームを繰り返してしまいます。だから家族には依存症を治すことはできないんですよね。むろろ家族の言うことだけは素直に聞きたくない、くらいに思っちゃいますから。

「母親に謝らせたい」という考えへの執着で苦しくなった自分

私は次第に母親が「悪かった」と認めてくれれば、この苦しさから救われるという妄想にとらわれていきました。「あいつを謝らせてやる」いつしかこの考えに執着するようになりました。

そして自助グループで蓋があき、過去の記憶を次々と思い出すようになると、恨みつらみの記憶が、微に入り細に入り、ひっきりなしに湧いてくるようになるんですね。あれは本当に苦しかったですね。

うちの母親は一人娘の私にものすごく過干渉で、子供の頃から全く気が合いませんでした。母は、恐らく当時では珍しいシングルマザーとして、偏見もあったし、差別や悔しい思いもあったでしょう。さらに、父親はパチンコ依存症で、貧乏で、それでもこの家を私が守らなくてはという思いもあったと思います。自分の不安や後悔を私にさせたくないという思いがあり、母はいつも「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」と口を酸っぱくして言い、私には「公務員か学校の先生になれ」と安定志向を押し付けてきました。さらには「あんたは子供が好きだから、資格をとって保母さんになりなさい」などと言い出したのには仰天しました。

私は、今も昔も子供が好きだと思ったことなどありません。自分の子供はかろうじて育てましたが、特に若い頃はむしろ子供は嫌いでした。「この人、私のことなど何も見ていないんだな」と思いましたね。

親子の確執を掘り下げ、憎しみが渦巻き

ギャンマネを読んでくださっている方にはおわかりいただけると思うのですが、私に最も向かない職業は様々なルールに縛られる公務員であり、学校の先生や保母さんなどになったら、親御さんと速攻で喧嘩になりますよね。

私はとにかく束縛されることが大嫌いで、むしろ「長いものにまかれてなるものか!」「権力者にはとりあえず逆らう!」という生まれながらに反骨精神を身に着けているような子どもだったんです。高校では、授業ボイコットの急先鋒に立ち、得意の漢文でいきなり成績が5から1になってこともあります。

いわゆる毒親とか機能不全家族と呼ばれる原因ってこの辺にあるんだと思うんですが、親の常識を子供に押し付けるのは、親自身の恐れが強いと、親の許可できるストライクゾーンがものすごく狭くなって、そこに無理やり押し込めようとするところにあるんでしょうね。

自助グループに繋がると、自分の過去のことを振り返っていくので、これまで考えたこともなかった親子の確執について深く考えることになりました。それまでは、母親のことを馬鹿にしていましたし、全く気も合わなかったのですが、好きとか嫌いとか考えたこともありませんでした。親子というのは無条件で好き合っているものだと思っていました。

ところが「うちの親って私の資質を見ていなかったんだよな」とか「良い学校とか良い会社とか世間体ばっかり気にしてたよな」とか「ありのままの私じゃダメで、優秀な子供であって欲しかったんだよな」などなど、様々なことに気づきだしたら、苦しくって苦しくって親への憎しみが渦巻いていきました。

親と顔を合わせるのが嫌になり、買い物依存症へ

そして私は、親と顔を合わせるのが嫌になり、会社帰りは自助グループに行くか、買い物で時間を潰すようになりました。

最初は、文房具のような小さなチマチマしたものでも満足できました。ところが段々金額が張るようになって、靴やバッグや洋服を買うようになり、それがだんだんブランド物になっていきました。こうして気が付くと私は立派な買い物依存症になっていきました。

ギャンブルを止め、夫も自助グループに繋がり、やれやれと思った矢先に発症した買い物依存症。しかも、この依存症はギャンブルよりさらにひどく私を借金地獄に突き落としたのです。

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