Addiction Report (アディクションレポート)

必要な時に必要な人が必ず与えられる 元彼の税理士、旧友の経営者、医師も活動に巻き込んで ギャンマネ(47)

ギャンブル依存症問題を考える会を立ち上げたものの、何をやったらいいかまったくわからなかった私。事務局長の家族から研修仕事をもらって活動資金に充てながら、元彼、旧友、医師らをどんどん自分の活動に巻き込んでいきます。

必要な時に必要な人が必ず与えられる 元彼の税理士、旧友の経営者、医師も活動に巻き込んで ギャンマネ(47)
立ち上げたころの事務局メンバーと。右が事務局長で盟友の田所幸子さん

公開日:2026/09/26 02:25

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ギャンマネ


さて、2014年にギャンブル依存症問題を考える会を本格的に旗揚げしたわけですが、

とにかく何をやったらいいか全くわからないというのが実情でした。

自助グループをもっと知ってもらおう、広めていこうというコンセプトはありましたが、

具体的に動く資金もないということで、仕方がないので同時に株式会社オフィスRicoを作ってみました。

事務局長の家族から研修仕事をもらう

この株式会社で有料のセミナーをやったり、講演料を貰ったりしながら、

そのお金で啓発活動をやろうか?などと考えていました。

だけど実際はですよ、当時まだまだギャンブル依存症の需要なんかないし、「ギャンブル依存症」という言葉すら広まっていませんでした。依存症界も、アルコールや薬物の医者や回復施設はあれど、ギャンブルなんて殆ど誰も手を付けていなかったんです。

そんな状況で大して実績もない私に、そもそも講演の話なんか来るわけもないんですよ。

そこでですね、今も盟友であり共に施設を退職した当会の事務局長、田所幸子さん(通称・メイさん)が、ご主人の取引先で従業員の依存症予防研修をやらせてくれたんですね。確かこの時、ご祝儀で30万円くらいくれたような気がします。

これがわが社の最初の収入になり、活動資金になりました。

この頃から目指していた「企業こそ依存症の理解を」

当時からずっと私は企業こそ依存症の理解を!ということを訴えておりまして、

「こんなに横領事件とか起きるんだから、企業はちゃんと依存症予防教育をやろうよ!」と強く思っていたんです。その思いは現在も続いており、なかなか実現せず苦労しているわけですが、奇しくも団体の最初の仕事は企業向け予防教育だったのです。

当時から「なんとか企業から資金集めを兼ねて予防教育ができないかな」「企業とWinWinの関係になれないかなぁ」と漠然と思いながら今日に至っています。

元カレの税理士に「手伝いなさいよ!」

そこでですね、ふと思いつくわけですよ。

昔、手ひどくふられた大学時代の彼氏が、税理士になっていたことを。

ギャンマネの2回目に書かれている

「学歴もまぁまぁで、顔もそこそこで、将来性もありそうだけど今は貧乏」みたいな彼氏ですね。

この人のことを思い出して、調べてみたら税理士だけに簡単に見つかったんです。

だって本名フルネームの事務所名だったから。

30年ぶりに電話をすると、そりゃまあ当然驚かれますよね。

「どうしたの?」

「ちょっと、私こういう団体を立ち上げたんだけど、経理とかわかんないから手伝いなさいよ」

と、いう穏やかな提案をもちかけると、「相変わらず強引だね」みたいな呆れ声を出されましたが、別に色恋が始まるわけじゃなし、こんなおばさん、おじさんとなった今では、どう思われようと関係ないじゃないですか。20年ぶりの連絡で無理くり活動に巻き込んでいきました。この税理士Sさんは現在では家族会の会計を手伝ってくれています。

旧友の経営者も巻き込んで

そして「ねぇ、税理士だったらさ、活動に共鳴してくれるような経営者知らない?」

と聞くと「そういえばさHがすごい出世しているよ。脱サラして今は経営者だよ」と、共通の旧友の現状を教えてくれたのです。

「何で知ってるのよ?」と聞くと「記事とか読んでるもん」と言っていましたが、
Hというのは大学時代のバイト仲間の間でも、当時から突出して優秀なイケメン男子で、大学卒業後も一流商社に入ったので、きっと出世するだろうと皆が思っていました。

おそらくこの元カレ税理士も同じ思いだったのでしょう。こっそり関連記事を追いかけていたと思われます。「あんたもそういう盗み見してるところ、昔から変わんないじゃないのさ!」みたいな話になったのですが「よし、じゃあHちゃんに連絡してみよう」と即座に決意し、SNSを検索すると簡単に見つかり連絡をしました。

Hちゃんにも突然連絡すると、もちろん驚かれましたが、会ってくれるということになりました。私の身の上話と活動について説明をすると「じゃあ、うちの顧問にしてやるよ」ということになり、ここから4年間、私は4万円の顧問料を毎月貰えるようになったのです。そして依存症の研修を新入社員に行ったり、パンフレットを社内で配布させて貰ったりしました。

本当に、旧友というのは有難いものですね。

その時「お前が、ニュース番組に呼ばれるようになるのを楽しみにしているから、頑張れよ」とまで言ってくれ、その後顧問契約が切れた時にも「本当に、ニュース番組に呼ばれるようになったな。すごいよ」と言ってくれました。

「うん、ありがとうHちゃんのお陰」とお礼を伝えました。

なんせ、自分が社長や代表になるなんて計画は全くなかったので、当時のこの応援は本当に嬉しく有難かったですね。

人を我慢強く育てるのも自分の役割

この時、この社長業の長いHちゃんから「自分の夢や、やりたいことはどんどん広がってくるけれど、下が育つまで待つのが辛抱たまらんぞ」とアドバイスをしてくれたことが、今でも私の金言になっています。

当時は、「ふううん、そんなもんなんだ。でも私と仲間は横並びの関係だからなぁ」なんてピンと来ていませんでしたが、その後、民間団体の代表としての役割が明確化していくにつれて、あのアドバイスがその後の自分をどれだけ支えてくれたかわかりません。

「人を育てることは簡単じゃない。Hちゃんも言ってたもんな。人を育てることも私の役割なんだよな。」こう思えたことで、他人のせいにせず、自分の問題なんだと受け入れ、あきらめず、ぶん投げずに、ここまで来られたと思っています。

もう一つ当時の大きな転換点となった出来事がありました。

立ち上げ当初は、自助グループと民間団体の違いというものが、自助グループしか知らない私たちには、よくわかりませんでした。ですので団体は立ち上げてみたけれど、アノニマスグループと呼ばれる自助グループと同じコンセプトで「政治や他団体、産業側など外部機関に意見は言いません。私たちはあくまでも相互扶助で仲間を助けていくことだけを目標にします」みたいな感じでHPにも、関係各所に送った挨拶文にも書いていました。

「外部に意見を言わなければダメ」ギャンブル依存症の勉強も

ここに救世主が現れたのです。

それはアルコール依存症問題に長年関わって下さっていた医師の竹内達夫先生です。竹内先生とは私が12ステップで覚醒した当時、アルコール依存症の団体が主催したセミナーで知り合いました。

先生はわざわざうちの事務所を訪ねてくださり(当時は夫の会社を間借りしていた)、

「団体を立ち上げたのは、とても良いです。でも外部に意見は言わなくてはダメです。それでなければ団体を立ち上げた意味がないです。」とアドバイスして下さったのです。私は、またしても意味がよくわからず「はぁ、そうなんですか......」ってな感じでした。

そして「先生、団体は立ち上げましたが、ギャンブルは医者がいなくて困っちゃうんです」と愚痴ると、「りこさん、あなたがギャンブル依存症について、話せるようになりなさい。脳の仕組みや、病気について、あなたが勉強して話せるようになればいい」とご教示くださったんです。

「へっ?私がですか?医者じゃないのに?」と問い返すと、「依存症は医者が治す病気じゃない。りこさんが話せることが一番良いです。」と仰ったんですね。

正直、この時の私は2つのアドバイスがちんぷんかんぷんでした。

でも、まぁ竹内先生が私たちのことを真摯に思ってくださり、応援してくださっているお医者様だということは重々承知しておりましたので、尊敬している人の話は素直に聞いとくかと思いました。そこで、その日のうちにHPから「外部に意見を持たない」を削除し、改めて依存症の医学的見地を学ぶようにしました。

どうですか皆さん。今では当たり前のようにやっている当会の活動ですが、

立ち上げたときは五里霧中で、何をやったらいいのかさっぱりわからなかったのです。

しかも、お金も見事に全くない状況で、わずかばかりの研修費やHちゃんの顧問料でなんとかやりくりしていたんですよね。

必要な時に必要な人が必ず与えられる

不安でいっぱいの船出でしたが、「必要な時に必要な人が必ず与えられる。だから絶対大丈夫だ!」当時のことを振り返ると、そう確信できます。

あんなに何もない時代に、道を示してくれる人とちゃんと出会っている。

不安定な道こそ、実は安定した道なんだよなと思うのです。

だって、安全で引かれたレールの上を歩く、毎日惰性で仕事を繰り返せばいい、なんて道を歩いていたらですよ、突然の変化に対処できないじゃないですか。

社会はいつだって予期せぬ出来事で突然変化します。戦争が起こったり、コロナが蔓延したり、災害が起きたり、気候変動やAIが席巻するようになるんです。だからこそ不安定な道を歩き続け、様々な突然の出来事に対応できる能力を身に着けることが、最大の安定なんですよね。

私の強みは「人を信じることができる能力」

私は、単なる誹謗中傷には「うるせぇ!」と思って聞く耳持ちませんが自分のことを思ってくれる人のアドバイスは素直に聞くことができます。私の最大の資質は、この「人を信じることができる能力」だと思っています。

そしてこの後、日本に考えても見なかったカジノ旋風が吹き荒れ、私たちはますます鍛えられていくのです。

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