新婚早々、まさかのセックスレス? ギャンマネ(9)
新婚にもかかわらず、あっという間にセックスレスになった1回目の結婚。あきらめて退屈な日々を過ごしていたら、また新たな扉が開きます。
公開日:2024/07/02 02:24
連載名
ギャンマネつい最近も、セックスレス夫婦を題材としたドラマがあったようですが、私はこのセックスレス夫婦を1回目の結婚で経験しました。
結婚生活のピークは結婚式?
前回にも書いたように、この結婚はそもそもが男によって経済的安定を確立したい私と、ちょっと派手で目立つ遊んでる女を手に入れたかった元夫のコンビなわけですよ。
だいたい元夫は会社でいろんな女の子と浮名を流していたし、私と付き合いだした時も二股だったらしい。ということは、今思えば二人とも獲物を狙う「ハンター」だったんですよね。手に入れるまでのスリルが楽しかったんです。
私の場合は周囲に反対され、噂好きの会社の皆様に話題を提供し、休憩室に入っていくと、先輩女子社員が私を指さし一斉にこそこそ話し出す。そんな注目が「カイカーン」でしかないわけですよ。しかも結婚までいったんだから私の勝ち「みなさん勝ち組のあたくしを見てちょうだい!」ってな気持ちでいました。
だからこの結婚のピークは、まさに結婚式までのはかない命だったんです。その後は、ただの退屈な日常がやってきた。もう誰も「あなたたち付き合ってるの?」と探りを入れてもくれないし、「あんな女ったらし止めなさい」とも「あの男と結婚するのはどんな女?」とも言ってくれません。全く注目されることがなくなったら、闘志もわかないし、興味が薄れてしまった。それは私だけでなく、元夫もそうだったのだと思います。
「なんとなくの情」で繋がって
けれども問題なのは、まぁ一度は好きになった間柄になって一緒に暮らしていると「情」というものが沸いてくるんです。私はですね、結婚を2回したのでよくわかるのですが、この「なんとなくの情」で繋がってる夫婦なんて、実際にはもう終わってるんですよ。でもこの情という奴が、ぬるま湯という現状から動けなくするんです。「嫌いじゃないけど、それほど好きでもない」こんな気持ちで日々過ごすことになりました。
私の周りだけかもしれませんが、同じ様な感じに陥ってしまった、セックスレス夫婦は当事から結構いました。そもそも日本人には多いみたいですよね。今では7割がレスだという調査もあるくらいです。
「もう今さら夫とはできないわ。なんかもう兄弟姉妹みたいな感覚になっちゃって」
「わかる~、私もそう」
「なんか異性っていうより、家族になっちゃったんだよね」
「そうそう、今さらセックスなんて逆に恥ずかしくなっちゃって」なんて話を友達としていました。
セックスレスだけど、子供はどうするか問題
そして、セックスはなくても全然いいんだが、子供はどうするか?問題にぶち当たるのです。「でもさ、子供はどうする?」「そこだよね」と、問題はいつも堂々巡り。
中でも、皇室じゃないですけど、お世継ぎを生まなくちゃならない、玉の輿組はつらいわけですよ。まさかセックスレスだなんて、義両親にも言えないじゃないですか。
代々どでかい開業医の家とか、神社や寺の息子、老舗の商売屋こういうところに嫁いだレス夫婦は月日が経つにつれ真剣に悩みだし、その後不妊治療に救いを求めにいった人もいれば、不倫に走ったのもいましたね。
思春期には禁止、年頃になると「相手を探せ」、結婚すれば「子供まだ?」
私は、セックスレス問題には常々ひとこと言いたいのですが、中学生や高校生くらいの若い頃というのは性欲や性的興味が爆発しそうな訳じゃないですか。(今の若い子はそうでもないのかもしれませんが)人はこれを思春期と呼び、個人差は大きいですが、そんな時代は20代前半くらいまで続きますよね。
この思春期時代にはですよ、親や教師は不純異性交遊に目を光らせ、ちょっとでも男子とイチャイチャしてようもんなら烈火のごとく怒りだすじゃないですか。私が中学の時なんか、体育館裏で男子とキスしてたのがバレて、教室で全員の前で担任にビンタされたことすらありましたからね。
そうやって親や教師の目を盗んで恋愛していると、恋愛に対してなんとなく罪悪感があるわけですよ。隠れてやるからますます惹かれハマっていく。
ところが年頃になると今度は「結婚相手はいないのか?」と、公然と男を探せ!と、親や親戚、職場の上司にまで一斉に命令される。今はそんなことなくなりましたが、昔は本当にうるさかったんですよ。この急な手のひら返しに年頃の娘は翻弄されるわけです。
そして結婚したらですよ、公然と本当に信じられないくらい公然と「子供はまだ?」なんて言われ出すわけですよ。あれってですよ、皆さんよ~く考えてみてくださいよ。裏を返せば「ちゃんとセックスに励んでる?」と聞いてることと何ら変わりないじゃないですか。
デリカシーも何もない。あれだけ思春期時代は、「男にうつつを抜かしてる」「本当のことを吐け」とばかりに問い詰められたのに、たった数年で今度はこの真逆の対応ですよ。
周囲の態度の様変わりに対応しきれない心
特に女子に対する周囲の態度には、頭でわかっちゃいますけど、心は対応しきれないんじゃないの?と思うんですよね。
周りもセックスして当たり前だという状況になる、いつでもできるようになる、周囲にも当然だと思われるようになる、そうなると人間って不思議で人によっては、興味がなくなっちゃうこともあるんじゃないでしょうか。
少なくとも私はそうでした。「私、夫とセックスしてるんだ」と言っても、「そりゃあそうでしょ」としか思われない状況で、何が楽しいのかね?と思っていました。
だから結婚後の情報として、
「最初が肝心だし、子供が欲しいならなおのこと、恋人時代から習慣化させて、飽きないように工夫した方がいい」そして、「結婚後のセックスは、コミュニケーションの一環だから、男女どちらかかわらずに誘い合えばいい」といったことを伝えていった方がいいと思いますね。
さらに現代ならですよ「昭和の時代ならともかく、今はセックスよりも刺激的なことや、夜中でもスマホ一台あれば熱中できるものがいくらでもある。だからすぐつまんなくなるかもしれないよ」とかですね。案外少子化ってこの程度のことでも対策になる気がしてるんですよね。
お互いが良ければセックスレスでも問題ない
逆にですよ、子供は別に欲しくない、とか子育てに追われているうちにレスになったという人が「これでいいのか?」と悩んでるケースにも、「お互いが良ければ問題ない」というメッセージももっとあっていいんじゃない?と思ってます。
だって、日本人のセックスレス記事なんか読むと、それがまずいこと、ダメなことみたいに書かれてますからね。「みんなそんなもんだよ」と言われたら一気に気が楽になるんじゃないでしょうか。
20代前半だった私も「子供を生涯持たないのかぁ」と考えると、なんか寂しいような気もしましたが、そもそも子供は全然好きじゃなかったですし、まぁ、いなきゃいないでいいし、ということで、どうせ夫とのスキンシップもないなら、なんとかまた夜遊びできないか?とそっちの言い訳を見つける方に考えを巡らせるようになりました。
転職で広がった世界、男を見る目
あの頃の私というのは、どうしてあんな風にいろんなことをあきらめていたのか?
完璧な幸せよりも、瑕疵のある幸せ、瑕疵のある男、それが自分にふさわしいとおもっていたんですよね。
でも天の恵みとでも言いますか、できたんですよ。めちゃくちゃ良い言い訳が。
それが「転職」ですね。
実は、デパートの本社勤務同志で結婚しましたが、私の課でパワハラ・セクハラ事件が起きたんです。そこで女子社員が結集して、組合と人事に訴えるということをしたんですね。
まぁ、あの頃の知恵も経験もない私からしてみれば、従業員1万人の企業で、役員相手に何かを訴えるなんて、心臓が口から飛び出しそうなくらいドキドキしました。
そして、なぜかその問題課長と、首謀者と見なされた私ともう一人の先輩が、営業店に移動させられるという、報復人事にあってしまったんです。
異動先の営業店の店長には「ここではおとなしくしてくださいね。お願いしますよ」なんて言われてしまい、うんざりして私は会社をやめました。別に、最初から主婦になって遊びたかったので、未練も何もありません。
ところが一時的に専業主婦になり、ちょうど具合の悪かった祖母の介護なんかをしていたのですが、とにかくヒマで退屈すぎるんです。こりゃダメだ、何かしないと、と思っていた矢先ちょうど友人から「りこちゃんヒマなら東大病院で秘書しない?」という誘いが来たのです。
東大?秘書?なんじゃそれ!かっこいいじゃん!と思って、もちろんすぐに飛びつきました。
ここで私は「へぇ!こんな世界があるのか?」とばかりに、視野がぐいっと広がり、今さらながらに男を見る目も広がってしまったのです。
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コメント
冷静に考えれば凄く矛盾しているのに、当たり前のように "思春期には(恋愛)禁止、年頃になると「相手を探せ」、結婚すれば「子供まだ?」" というやり取りがされている日本中の現実、そして、私自身も親・親族・学校生活の中で同じような対応を取られてきていた当事者であるのに、ここまで大した疑問も持たずにスルーして来てしまっていたこと、
文章を読みながら気付いてしまい、目から鱗が落ちました。
自分の人生を生きているのは自分なのに、反発しながらも周囲から言われる事を気にして、従って生きてきたんだなと、何とも言えない気持ちになりました。
次回以降は、【転職】によってりこさんが新たな世界に踏み出していく展開になるということ…。
以前どこかで、人生が変わる1番のキッカケは【引越し】と【転職】だと聞いた事があります。
行動範囲や関わる人間の種類が変わり、今までの常識が常識でなくなる事で、人間は大きく成長出来るようです。
若かりし頃のりこさんが、どんな風に変化して行くのか、とても楽しみです。
今回かなり踏み込んだ内容で共感と発見の嵐でした。
「子どもどう?」は「励んでいるのか?」を遠回しに確認されてる言葉っぽくて前からゾワゾワッとしてました!同じ感覚が共有できて安心しました。
また、義両親に結婚当初「しばらくは2人の時間を取ったらいいよ」と言われ、子作り前提なのか〜とゲンナリしたのも思い出しました(笑)
結婚やセクシュアリティに関する価値観のように、自分の世代から大きく変わっている部分に対応できるってすごくかっこいいですね。私もたくさんの人と気持ちや考えを分かち合って、自分をアップデートしたいと思いました。
セックスレスについて、赤裸々に語ってくださり、私も悩んだことあったなぁと思い出しました。
そもそも、結婚相手に愛情を持って関わったり、相手を尊重してなかった。
いつも自分の思う通りの相手を求めていたから、今思えば、なんかお互い苦しかったなと。嫌いじゃないけど、情があるっていうのはよくわかる気がしました。
続きが早く読みたいです。
あまり今まで気になったことはありませんでしたが、りこさんの記事を読んで確かに…と共感しました。
短くわかりやすく言葉を並べるりこさんの文章、本当に読みやすいです。本を読む習慣がない私でもスラスラ読めちゃいます。続きが楽しみです。
30代公務員だけど、今年めちゃくちゃ『子ども、考えている?』って聞かれて。
今時そんな質問するんかぁ〜と思っていたとこにこの記事は共感いっぱいでした
セックスレに切り込むのも、流石りこさんです
共感だらけでした!
特に、結婚後の情報として、りこさんアドバイス、めっちゃ共感です。
子育てと仕事で日々の生活に追われる毎日では、ぶっちゃけそんな体力は夜残されていません。コミュニケーションの一環、どちらかが誘う、確かにこれが習慣化すると、とても穏やかな日々です。自分の経験からも。
なかなか言葉にするのが難しいテーマなのに、実に爽やかに(笑)面白く(笑)適切に正しい対応を導き出し、少子化に歯止めをかける提案をされているりこさん!本当にさすがだな~と思います。書籍化ドラマ化トオル様がますます近づいてきました!
このシリーズすきすぎます。セックスレスに結婚がピークと共感が止まりません。専業主婦から秘書へわくわくいっちゃうりこさんのフットワークの軽さが好きすぎます!
続きがきになる!!!
毎回楽しく読んでます。
毎回続きが楽しみで、うずうずしてます。
嫌いじゃないけど、それほど好きでもない。本当にそうだなあーと共感しまくりです。
続きを楽しみにしています!
私はギャンブラーの夫が好きでした。
だから結婚しても、子供が欲しい考えよりも 夫と一緒にいると楽しいと思っていました。
今は西野カナの歌みたいに
ああ
なんで好きになっちゃったのかな?
の心境です。
りこさんや仲間の考えを聞いていたら、気持ちが言語化できるかな…
今は 精一杯自分に向き合っています。
昔は結婚し、子供を作るというのが当たり前の世の中だったと思います。当時は、それが常識と思って多くの人とやりとりしていましたが、今になって思えば、多くの人を傷つけたのかなとも思います。
今は本当に多様化が進み、結婚や出産もそれぞれ本人自身にとって幸せと思えることが幸せなのだと認識しています。
ご自身の過去を連載いただき、改めて過去の事、現在の事を考えるきっかけになりました。
ありがとうございます!
この後の連載も楽しみにしております!
『裏を返せば「ちゃんとセックスに励んでる?」と聞いてることと何ら変わりないじゃないですか。』
これ、私もずっと思ってました!共感しかないです!!!
結婚してから「子どもは早くが作った方がいいよ〜」とか言われたとき、「え、セクハラ…?」と違和感を覚えてました。
だから、私は他人に「子どもどう?」と聞くのが失礼と思ってて聞きません。
ありがとうございます!コレずっと思っていました。
20歳で結婚した私には「思春期の禁止期」からいきなりの「子供はまだ?期」に対応不可でした。1人できると今度は「男子はまだか?」
ほんまになんとデリカシーのない世の中やったんでしょう‥不適切すぎやろ!
20歳そこらの私には言い返す言葉も思い浮かばなかった。
今ならなんぼでも言い返せるのに!かかって来んかい!
依存症者に対する辛辣な言葉もいつか「あの頃は不適切やったよねー」と言われる世の中になって欲しい。その為に動こ!
いつも軽快なテンポで楽しくあっという間に読んでいます。
続きが楽しみです!
私もずっと違和感を持っていました。
思春期には禁止、年頃になると「相手を探せ」、結婚すれば「子供まだ?」
結婚した途端、親戚の会話で孫はいつか?という話題になり、気持ちわるっとさえ思いました。誰もこんなこと言わないですけど、自尊心の低い私は自分を子供を産む機械のように扱われたようにも感じました。
りこさんの文章を通して自分の結婚生活を振り返り、私も結婚式がピークだったなぁと思いました。遠距離恋愛を経て長年付き合った彼との結婚というストーリーと、周りからの「すてき!」という声が大好きで、闇雲に結婚式にむけて突き進んでいきました。ずっと心の奥底で本当にこのまま結婚していいの?という本心を無視し続けてました。
次回の連載もたのしみです!男を見る目をバージョンアップさせたりこさんと、今の旦那さんとの結婚生活も知りたいです〜!
さすがリコさん!
思っていてもなかなか正面きって言いづらいセックスレスに真正面から切り込んできましたね。
思春期には禁止、年頃になると「相手を探せ」、結婚すれば「子供まだ?」これほんとにそうですよね。私も疑問に思っていました、化粧問題と共に。
二人とも獲物を狙う「ハンター」、爆笑です。
東大、秘書、またまた気になるワードが出てきました。これは、きっと面白くなる。
嫌いじゃないけどそれほど好きでもない
に吹き出してしまいました。
まさに私の夫に対する感情。いつからそうだったのかな?この時、っていうのが無い、いや、最初からかも?
続き気になる〜