Addiction Report (アディクションレポート)

「承認欲求の鬼」だった高校時代 友達にかけられた一言で音楽人生が始まった コザック前田の青春依存狂時代(2)

承認欲求の鬼だった高校3年生の頃、おかしなことばかりやっていたコザック前田さん。そんな姿を見て友達がかけてきた一言が、音楽人生を始めるきっかけでした。

「承認欲求の鬼」だった高校時代 友達にかけられた一言で音楽人生が始まった コザック前田の青春依存狂時代(2)
音楽を始めた当時のコザック前田さん(本人提供)

公開日:2025/05/01 01:59

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コザック前田の青春依存狂時代

皆様、お疲れ様でございます。ガガガsp というバンドのボーカルを担当しております、コザック前田と言うものです。

前回の第一回の文章で、僕が睡眠薬とアルコールの依存症やパニック症候群になった今回のコラムを書かせてもらうことになった経緯などを紹介させて頂きました。

今回、18歳の頃、バンドを始めるきっかけなどをお話ししていこうかなと思っております。

雑文ですが、皆様よろしければご一読くださいませ!

高校3年生の僕は承認欲求の鬼

1997年、僕は高校3年生、学力も「並」の公立高校の生徒でした。特にこれと言って自慢できる能力もなく、女の子とも付き合ったこともない完全なる「童貞」。しかしながら、何かで人に認めてほしい、評価されたいと言う気持ちがおそらく人一倍強くて、今思えば「承認欲求の鬼」だったわけです。

学校の昼休みに先生や友達のモノマネをして、みんなを笑わせるために何日も前からずっとネタを仕込んで、家に帰ってから練習をする。そして笑ってもらえた時だけが、自分で自分のことを肯定できる時間でした。

高校では最初野球部に入ってのですが、そこでも右打ちなのに左で打ってみたり、とにかく団体行動から外れることばかりをして、部員の総スカンをくらい、1年で辞めることになってしまった。

文化祭ではクラスの出し物が「シンデレラ」でシンデレラ役を自ら買って出て、本番お白いを塗って出て行ったら女子たちに気持ち悪がられて、結局何も受けずに終わってしまった。

とにかく認められたいという欲求のあまり、突拍子もない行動に出たりとかモテたくて色んなことをしたりとか、思春期にはよくあることかもしれないのですが、それが人一倍強かったと思う。

そして頭の中は常に妄想だらけ。例えば「自分がプロ野球選手になったら、こういうヒーローインタビューをする!」なんてことを思い描いて家で1人でヒーローインタビューを喋ってたり、テレビの討論番組に出たとしてこういうコメントを話すとかそーいうのをブツブツ家で自分の部屋で考えては練習したりの毎日。

でも練習のようで、頭の中ではもう本番だったわけです(意味がわからないと思いますが)。なので家で1人で結構大きな声で話してたり、歌ってたり、奇声を上げてたりすることも、しょっちゅうでした。

幼い頃からあった「チック症」

そんな僕には小さい頃から、「チック症」がありました。

手を叩いたり、ジャンプをして足をバタつかせたり、いつも常に5つのクセがありました。そしてその5つのクセが1つでも治ると、また新しいクセが出来て常に5つなんですよね。

そのクセが出る時はいつも頭の中で考えを巡らせている時か妄想してる時。今だったら何か病名がつくと思うのですが、そういう時代でもなかったので、今もほったらかしなんですけどね(笑)。

「歌ってみないか?」と友達に誘われて

とにかく何もしてないのに妄想だけ膨らんでいってる僕に、友達が「歌ってみないか?」と言ってきたのが1997年の冬。神戸では「ルミナリエ」という電飾の道を歩いて楽しむイベントが冬の一定期間開催されます。1997年はその3回目だったと記憶しています。

今はもう規制があるくらい人の多いイベントになっているのですが、その当時は規制も緩くて観にくる人も今のように多くはなかったので、ルミナリエの開催されてる道中で弾き語りをしたり、色んなパフォーマンスをしたりしている人達も結構いたわけです。

そこで友達から「ギターは僕は弾けるんやけど、人前で弾く機会がないから、前ちゃん(僕のこと)歌って僕がギター弾いてユニットでやってみいひん?」とお誘いを受けました。

「前ちゃん昼休みに変なことばっかりしてるし、歌くらい歌えるやろー?曲はカバーでいこう。僕が弾くから任せといて!12月8日がちょうどええわ。その日のルミナリエでやろう!」

そう言われて、カラオケもろくに行ったことない僕が、初めて人前で歌う日を決められた訳です。半ば一方的に決められたのですが、僕の中の承認欲求が沸々と湧き上がって来ました!

「ユニット名欲しいから、なんか当日までに前ちゃん考えておいてや」

そう言われて、1997年12月8日。僕は音楽人生の始まりを決定されました。

そうして始めた音楽は僕の救いにもなり、依存のきっかけにもなった

今考えれば、ちょっと危ない奴だったと思うその当時の僕が、音楽というものをするのは一つの救いになったと思います。一方で、やっぱり最初に書いたように、偏りがちな頭を持ってる僕がその後酒や睡眠薬に依存するキッカケも音楽にあったような気がします。

確実に自分の人生を変えてくれたものだから、モチロン感謝はあるのですが......「嬉しいよーな、悲しいよーな」のきんさんぎんさんの気分でもありますね(笑)。

次回は初ライブ、「ガガガsp 」結成を書きたいと思います。

ご拝読ありがとうございました!

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コメント

14時間前
よしあ

高校生の頃の貴重な話が聞けて嬉しいです!

次回のコラムも楽しみにしてます。

14時間前
まりえ

厚労省のイベントのライブで、前田さんの人柄や依存症の経緯を知り、ファンになりました!

承認欲求の鬼、偏りがちな頭を持ってる僕、、、私も自分自身と照らし合わせながら「うん、うん、わかりみ〜」と共感しかありません。

次のエッセイも楽しみにしています!

14時間前
スーパーナガイ

次回も楽しみにしてます!!

14時間前
匿名

前田さんの貴重なお話が聞けて

よかったです。

カミングコーベ2025に行きますので

またあなたに会えるのが

楽しみで仕方ないです😀

14時間前
キャサリン

承認欲求の鬼、わかる、この感じ。

私は、承認欲求が強いあまり逆に触りきれて、学校で目立って仕方ないよな、とどんどん妄想の世界に生きた。

そして、前田さんは依存する人になり、私は依存する人の母になった。

興味深い。

14時間前
とらさん

若いときのあの感情は何て言い表せばいいんだろうって思ってました。あれがいわゆるそうか承認欲求なのかと自分も府に落ちました。高3で承認欲求の鬼だった前田さんが音楽で活動されることになるのは、もしかしたらごく自然なことかもしれないですね。次回も楽しみにしてます!

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