Addiction Report (アディクションレポート)

「面白くないなぁ!酒も飲めないなんてホンマにアカンで!」 初ライブ打ち上げで出会ったアルコール強要文化 コザック前田の青春依存狂時代(15)

ライブハウスでの初ライブも終わり、やり切った感で高揚していた僕と陽ちゃん。打ち上げで酒を強要されそうになり......。

「面白くないなぁ!酒も飲めないなんてホンマにアカンで!」 初ライブ打ち上げで出会ったアルコール強要文化 コザック前田の青春依存狂時代(15)
ライブハウスでの初ライブで演奏する僕(コザック前田さん提供)

公開日:2026/08/01 02:06

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コザック前田の青春依存狂時代

前回はライブハウスでの初ライブの準備やリハーサルからの様子といざ本番を迎えた僕たちガガガを書かせて頂きました。今回はその初ライブの続きと他のバンドを見た印象や打ち上げを書いていきます。

「思いっきりやれた!」

序盤のウケは良かった。一曲目にやった「カレーのにおい」、その後も数曲は反応が良かった記憶がある。

しかし、なんのライブハウスの経験もない2人が、30分の持ち時間とはいえ、最後まで勢いだけのテンションも持つはずもない。5曲目にやったレゲエ調の曲、「レゲエと言えばボブマーリーでしょう」なので、僕たちもレゲエの曲を作りました

「僕、マーリー」

という曲から明らかに客の温度が冷めていってるのを感じた(笑)。

それでも全体的には自分たちの思ってる以上の笑い声も起こり、良い初ライブハウスの感触だった。

初ライブで踊る陽ちゃん(コザック前田さん提供)

終えて陽ちゃんと、

「いや〜、思いっきりやれたね!」

「これが時代の始まりやで!前ちゃん!」

と褒めあってたら、次の出演のバンドの人が、

「いや〜笑けた!最高!」

と言ってくれた。今から考えたらそれは単純にバカにして、からかいも込めて言ってたんだと思うのだが、その時は興奮状態にあったので真に受けてしまい、

「本当にありがとうございます!サイコーのライブが出来ました!」などと威勢よく返事したのを覚えている。

同級生の阪神の帽子を被って来てくれたメガマサヒデ君も大興奮で、

「いや〜!こんなのを待ってたんよ!どんどんやって行こう!」と喜びを分かち合った。

のちにこのメガマサヒデ君とはガガガDXなるものを結成して、日本昔ばなしのエンディング曲の「にんげんっていいな」をカバーして、それが日産セレナのCMソングに起用されて、ミュージックステーションに一緒に出るようになったりとかもしたのだから人生っていうものの始まりは不思議なものだなと今になって感じる。

日常にはない興奮を求める危険性

他の3バンドも観たのだがあんまり印象には残っていない。とにかく自分達がライブをやって受けたことに興奮し、自己陶酔しているので、もしかしたら今見たら良いバンドと思える人達も出てたのかもしれないが、音楽もライブも入って来なかった。

これまで書いて来た出来事で思うのだが、何か異様な昂ぶり、日常にはない興奮を求めて行動を起こしてるのであるが、そういう人間にはある種の危険性も孕んでいるなと。のちに僕がアルコールや睡眠薬の重篤な依存症になるのも、結局はアルコールや睡眠薬が好きという訳ではなく、

「シラフでいられない」

という心がそうさせた部分が強いと思う。とにかく強い刺激が欲しかったのである。

この当時はライブをするというだけでも正に「強い刺激」だったわけなのだから、ましてや酒も睡眠薬も必要のない時代だったなと回想出来る。

打ち上げへ誘われて

1998年の8月9日、神戸アートハウスで、とにかく僕と陽ちゃんは初めてのガガガとしてのライブハウスデビューは無事終えることが出来た。終えて帰ろうかと思ってた頃に、ピンクモータースを買ってくれたアートハウスの店長が僕らに声をかけてくれて、

「やっぱりめっちゃ面白かったよ!この後打ち上げあるけど来ない?」

と言われた。

僕は打ち上げと言えば前回初めて酒を飲んでクダを巻いたことを思い出して、もう酒はよろしくないなと思っていたので前向きでは無かったのだが、店長が、

「次のライブの話もしたいからおいでよ!」と言われ、次のライブ!?そんなのが決まるのだったらこれは行っておかないとと、行くことにした。陽ちゃんも行くことを承諾してくれて、近くの居酒屋に向かおうとしていたところにTさんと出会った。

「今日良かったですか?」

と不安そうに聞いた僕に、

「うん!めっちゃ楽しかった!また来ます!ありがとう!」

凄く元気に言ってくれた。僕の気分は最高潮になり、陽ちゃんに、

「このままホンマにメジャーデビューできるんちゃうかな!?誰もやってないことをやってるし、どんどん勢いつけてやっていこう!」と早口で捲し立てていた。おそらく陽ちゃんも、

「分かりやすいやっちゃな〜!?」

と思っていたことだろう(笑)

酒の強要がまかり通っていた「昭和文化」

そして打ち上げ会場に到着した。15人くらいの人数で焼き鳥屋に入ったのを覚えている。他のバンドさんはそれなりにもう良い感じに酔っ払っており、デカい声で盛り上がっていた。

そこに僕らのところに出演したバンドの人が寄って来て、

「今日良かったですよ!まあ乾杯しましょうよ!」

と威勢よく声を掛けてくれたのだが、僕は前回の失敗が頭をよぎり、

「いや、僕ちょっと酒飲めないので......」

と断った。そうすると

「なんや!?面白くないなぁ!酒も飲めないなんてホンマにアカンで!ライブ面白かったのになぁ」

と強い語調で言われた。今の時代では考えられないかもしれないが、その当時ライブそのものよりも打ち上げでめちゃくちゃした奴や、酒を沢山飲んだ人が次の良いイベントに出演できたりとかする風潮があった。約28年前、まだまだ昭和が残っていたのである。そしてご多分に漏れずその数年後には自分もそういう飲み方をして、後輩にも酒を強要したりとかする奴になってしまうのだから、自分が1番嫌だと思っていたような人間になってしまうのです。

次のライブ出演も決定

とにかく打ち上げは進み、ライブハウスの店長が咄嗟に僕らに向けて

「よしっ!決めた!」

と言ってきた。

なんだろうと思っていたら

「9月に1番今ここに出てるバンドで有名な連中と一緒に出させてあげるから、出てみない?」

と言われた。僕らは呆気に取られてとにかく

「は、はい......」

としか言えなかった。

とにかく僕らはチャンスを掴んだのである。

今回はここまで、次回は次のライブが決まった、僕たちの焦りと準備、そして満員のお客さんの前でのアホなライブを書きたいと思います。

乱文、乱筆読んでくださりありがとうございました!

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