「とにかく目立ったらいいねん!」路上ライブで隣にいた人気バンドは......? コザック前田の青春依存狂時代(10)
再び二人で「ガガガ」として路上ライブをやることになった僕と陽ちゃん。当時、話題となっていた教祖の格好をして、暴れ回りましたが......?

公開日:2026/03/01 02:00
前回は生まれて初めてのバイト先が決まり、そして初めてのガガガ名義で路上ライブをした片山君(陽ちゃん)から連絡が来て、再び2人組のフォークユニットとして「ガガガ」をやっていく話になったことを書きました。今回はその続き。特に路上ライブを始めた初期の話を中心にさせて頂こうかと思っております。今回も宜しくお願い致します。
「とにかく目立ったらええねん!」
陽ちゃんが「良い考えがあるで!」と言うので、とにかく会うことにした。2人で喫茶店で話をすることになった。
「陽ちゃん、こんだけ世の中に路上ミュージシャンおるのに、技能もない僕らがどうやって頭角を現すんや?」
僕が聞いたら陽ちゃんは、
「いや、とにかく目立ったらええねん!高校時代の俺らのノリを全国に分からせたら良いんよ!ほなすぐに全国区になれるで!」
ほんまかいな......。かなり安直ではあると思ったが、そこは18歳。根拠のない自信だけはあるし、何より前回も書いた通り、確かに高校時代僕らが2人は変な事ばかりして目立ってはいた。自分たちの発想を活かせば、オモロくはなるんではないかなとは思っていた。
「陽ちゃん、具体的にはどうするんや?」
「ん〜?例えばなあ。世の中は今、アムラー、シノラーの時代や!そこに僕らは麻原彰晃の影響を受けてるモンとして(アサハラー)っていうのを作るんや!(※)」
※編集部注 当時はオウム真理教や麻原彰晃元死刑囚の犯罪行為が、世間一般にはまだ明らかにはなっていませんでした。
はあ......。
「ほな時代は、アムラー、シノラー、アサハラーということになって、俺らはアサハラーの第一人者となって一躍スターダムやで!」
(アサハラーの第一人者は麻原彰晃でしょう......)
そんなこともちょっと思いながら、僕は陽ちゃんが出してくる突拍子もないアイデアの数々を聞いていた。売れるかどーかは知らんけど全部オモロい。とにかく変なやつとして認知はされるのではないかなと思った。
よしっ!とにかくやってみよう!そこからや!
1998年の4月に神戸のJR三ノ宮駅の中央口付近で路上ライブをやることを決断した。
飲食店バイトは大忙し!
バイトの方は朝6時からモーニングの時間、厨房には僕一人だけ、ちょろちょろ来るお客さんのパンを焼いたり目玉焼きを作ったりしてそれなりに充実していた。
しかしそれも束の間の間だった。僕は朝だけではなくてフリーターなので、昼も夜も入れるやろ!?という事になって忙しいランチやディナーの時間の洗い場にも入る事になった。
ランチやディナーはモーニングとは比較にならないくらい戦場で、洗い場にはもう全く間に合わない量の皿やコップがどんどん送られてくる。その上に要領の悪い不器用な僕はノロノロしてるので、お客さんに出す皿が無くなる。
「前田!はよせえや!」
怒号だけなら良いもののたまにはトングや包丁が飛んでくる始末......。時代もあったけど、神戸の長田という地域は血の気の多い、言わばガラの悪い土地なので働いている人の血の気も多い。ヒーヒー言いながら仕事をしていたのだが、全く戦力にならず、時給も落とされて、キッチンで働いてる人達からは、ほぼ総スカンを食らうという状態だった。
飲み会の二次会、カラオケでお気に入りに?
そんなある日の夜。1人だけ僕に優しくしてくれてた同じ苗字の前田さんという方がいて、終わったら飲みに行かないか?という話になった。そこには僕のことを仕事が出来なくて異様に嫌ってたKチーフも来るという話だった。おそらくちょっと仲良くさせようという前田さんの意図があったのだと思うが、3人で飲みに行く事になった。
僕は酒での失敗がまだ記憶に新しいので、ソフトドリンクにした。そしたらKチーフが、
「お前仕事も出来ない上に酒も飲まへんなんて、ほんま何の役にも立たへんな!?もう帰れや!!」とキレられた。Kチーフからの「もう帰れや!」と前田さんの「まあまあ」というやり取りをずっと前にして、僕はどうして良いのか分からず、とにかく気まずいし悪いので、帰ろうとした。
そしたら前田さんが、
「よしっ!?みんなでカラオケ行きましょう!チーフカラオケ好きじゃないですか?行きましょう!」
半ば無理矢理カラオケに行くことになった。このカラオケで僕は完全に評価が変わり、ターニングポイントになってKチーフのお気に入りになることになるのでした。
その話はまた。
2人のガガガで再び路上へ
話は戻りまして、三ノ宮駅での路上ライブの日になった。
午後5時に陽ちゃんと約束して待っていたら、なんと陽ちゃんは紫色の袈裟を着てきた!袈裟というか、まさに麻原彰晃!そしてギターをケースに入れずに裸で持って来たのだが、それがぞうさんギター(※)だった。
※ギターのボディーにアンプが内蔵されてるギターで、スイッチをオンするとボディのスピーカーから音が出る電池式のエレキ!?ギター。
「前ちゃん、時代はこれやで!」
僕は呆気に取られていた。でもそんな僕を尻目に三ノ宮の一等地に場所を陣取り、2人のガガガはスタートした。
暴れまわって叫び回った。でも誰1人止まってくれる人は居なかった。
隣に来たのはあの人気バンド!秘策で客を奪えるか?
午後7時くらいになって、横で準備をしてるグループがいた。その人らの演奏を待つように人だかりが出来ていた。名前を見ると
「コブクロ」と書いてある。
人気なるやろな。
陽ちゃんが、
「前ちゃん、あっちのグループの客を全部取ろう!」
「えっ!?そんなこと出来るの?」
「前ちゃん、エエ案があるで!」
ちょっと嫌な予感もしたが、このままではラチがあかない。
秘策を聞くことにした。
今回はこの辺りで(笑)。
次回はこの嫌な予感の結果と、バイト先のターニングポイントを綴りたいと思います。
乱文、乱筆を読んでくださり、ありがとうございました。
関連記事
コザック前田の青春依存狂時代
- 始まります! コザック前田の青春依存狂時代(1)
- 「承認欲求の鬼」だった高校時代 友達にかけられた一言で音楽人生が始まった コザック前田の青春依存狂時代(2)
- ついに路上で演奏デビュー!のはずだったのに? 奇跡が起きたルミナリエの夜 コザック前田の青春依存狂時代(3)
- 今度はまさかの、ライブハウスでバンドボーカルデビュー! コザック前田の青春依存狂時代(4)
- 大トリでライブハウスデビュー!オモロい方向に振り切って、観客の反応は? コザック前田の青春依存狂時代(5)
- ライブ打ち上げで初の飲酒体験 酔うと自分を大きく見せたくて...... コザック前田の青春依存狂時代(6)
- 酔っ払って、同世代の女の子に褒められて、有頂天!口から出まかせをペラペラ コザック前田の青春依存狂時代(7)
- 初の打ち上げ、酔って、絡んで、撃沈して コザック前田の青春依存狂時代(8)
- ガガガ復活!高校卒業後、全く先が見えない中で始まったバイトと音楽人生 コザック前田の青春依存狂時代(9)
