Addiction Report (アディクションレポート)

「ちゃんと秘策は考えてるがな!」路上ライブで人気のコブクロに取った対抗手段は? コザック前田の青春依存狂時代(11)

路上ライブの隣で人気のコブクロに対し、「ちゃんと秘策を考えてるがな!」ととんでもないことを始めた相棒。ついにコブクロに叱られて?! 一方、バイト先では酒とカラオケでの熱唱で、仲間との距離を縮めていきます。

「ちゃんと秘策は考えてるがな!」路上ライブで人気のコブクロに取った対抗手段は?  コザック前田の青春依存狂時代(11)
路上ライブをやっていた頃の自分(真ん中)と陽ちゃん(右)

公開日:2026/04/01 02:10

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コザック前田の青春依存狂時代

前回は路上ライブでの奇行と、バイト先の上司(チーフ)とカラオケに行くというところまでの話をしました。今回もちょっと同時進行になるのですが、その後の展開を書かせて頂きます。よろしくお願いします!

コブクロに対抗する秘策とは?

三宮駅前の路上ライブ、相棒の陽ちゃんは紫色の袈裟を来て、ゾウさんギターで僕ら2人は喚き散らかしてるだけ......。もちろん人など寄って来るはずもない。横を見ると女の子達に囲まれてる路上ミュージシャンがいた。スケッチブックの紙に書いてある名前を見に行くと「コブクロ」と書いてあった。

「あの横のコブクロって人ら人気あるなあ〜。僕らもああなっていきたいな」

とつぶやいていたら、陽ちゃんが

「こんなこともあると思ってちゃんと秘策を考えてるがな!」

と軽快に答えた。ちょっと不安があるものの、秘策と言われれば飛びつきたくなる。それが何かを聞いてみると、

「前ちゃん!これやこれっ!」

とおもむろに大量の紙をカバンから出して来た。ああ、チラシ撒きね。僕らの名前だけでも覚えてもらおうと今、コブクロっていう人らを聞いてる連中にチラシを配るわけか。まあありきたりだが賢明だなと思い、そのチラシを手に取って見た。

そうするとそのチラシには陽ちゃんの手書きの麻原彰晃の似顔絵(※)で、そこにふきだしを作って、

※編集部注 当時はオウム真理教や麻原彰晃元死刑囚の犯罪行為が、世間一般にはまだ明らかにはなっていませんでした。

「やあ、僕達の団体はガガガというグループを応援しています!一度選挙に出てもらいたいくらい最高だね!」

と書いてあった......。

思わず吹き出してしまった(陽ちゃんはとてつもなく絵心があるので、その似顔絵も最高な出来だった)が、これを配ったところで一体何になるんだろう!?確かに当初陽ちゃんが言ってた

「僕らのノリを見せつける!」

という事に対しては間違いがないのだが、こんなもので客がつくはずあらへん。

「これ、ホンマに配るの!?」

と僕は念を押したら

「前ちゃん!何をガタガタ言っとるねんな!もうワシは行くで!」

と足早にコブクロを見てる人達のところに行った。紫の袈裟をつけた奴が、麻原の似顔絵のチラシを配っている。

なんかこんなところで怖気付いてたまるか!という気持ちが僕の中にも出て来た。どーせ誰からも相手にされない人生を送るくらいやったら、問題起こしてでも人の注目を浴びて生きていきたい!それが僕の本心ではないのか!?僕も人垣の中にチラシを握って入った。

カラオケのレモンチューハイで心に炎

話は変わって、前回も書いたバイト先での人間関係の続きです。

「なんで前田とカラオケ行かなアカンねん!」

Kチーフはオカンムリであった。

同じ苗字の前田さんは、とにかくKチーフをなだめて、カラオケボックスに3人で入った。

Kチーフも前田さんも酒を飲み、僕はカルピスソーダ。

Kチーフは、

「2人前田がおるのも面倒くさいな、お前はまだ前田でもない、前田2号や!これから2号って呼ぶからな!」

語気荒く、僕はバイト先で「2号」というあだ名をつけられた。

「おい!2号!お前もなにカルピスなんか飲んでんねん!しょーもないモン飲むな、酒飲め」

レモンのチューハイが手元にやって来た。卒業ライブの打ち上げ大失態以来、初めての酒である。もう飲まないといけない空気がムンムンとしている。僕はそのレモンチューハイを一気に流し込んだ。

そうすると、なんか僕の心のロウソクにポッと火がついたような感覚になった。勇気が湧いてきた。

80年代アイドルの曲を歌いまくる

僕は当時18歳、Kチーフは36歳だったと思う。Kチーフと前田さんは80年代のアイドル歌謡を歌っていた。

「こんなん2号は知らんやろ!?」

そう言われたがところがどっこい!僕は小学生の頃からずっとものまね王座決定戦のマニアだった。ものまね四天王のコロッケ、清水アキラ、栗田貫一、ビジーフォーが大好きでビデオに撮っては擦り切れる程見て来た。なので本人は知らないのだが、ものまねで覚えたレパートリーがあったのだ。

そこに加え、酒で心の炎も燃えている。僕は初めてKチーフに反抗した。

「僕もアイドル歌謡歌えますよ!歌います!」

カラオケの本を取り、入れたのが薬師丸ひろ子の「あなたを・もっと・知りたくて」だった......。

セリフの部分も完全にコピーして歌い切ると、Kチーフは僕を見てニヤッとして、

「そぉー来たかぁ!!」

と言った。

そこから80年代のアイドルの曲を歌いまくった。負けじと歌うKチーフ!前田さんは呆気に取られた感じだったが、もう僕ら2人の戦いになっていた。

そうしてる間にもう朝の5時になって、カラオケボックスの電話が鳴り、会計して外へ出た。

Kチーフが僕の近くに来て、

「2号、これから週に1回は歌いに行くぞ!」

と肩を叩かれた。初めて認めてもらえた瞬間だった。

仲間との距離を縮めてくれた酒

そこからバイト先での僕の立場も変わっていき、色んな人と仲良くなるようになって、週に一回みんなで飲みに行ってはカラオケをオールナイトする関係になった。

今から考えると、酒は絶対的に悪いと言うわけではなく、人とのコミュニケーションの中にちゃんと介在していると、良い方に作用してきたこともたくさんあったなと思う。

ただ、飲み過ぎなければね(笑)。

コブクロに注意され、陽ちゃんが発した一言は?

話を戻して、僕らは三宮駅前の路上で、「コブクロ」のお客さんにどんどん麻原彰晃の似顔絵のチラシを配っていった。2人でコブクロの曲中に配ってるモンやからもちろんの如く目立つ。

僕ら2人の勢いと恐さに、お客さんも一応は配ったチラシを受け取ってくれた。

そしてコブクロの曲が終わり、2人のどちらが言ったのかは覚えてないのだが、言うてみれば反則行為をしている僕らに向かって、

「ちょっとそこの2人やめてください!迷惑です!」

と言われてしまった。これは仕方ないとオズオズと戻ろうとしてた僕だったが、そこで陽ちゃんは一声を発するのである。

次回は陽ちゃんの一声から始まった惨事と、僕が覚醒してきてどんどん変人になっていく様、そしてバイト先での出来事や恋を書きたいと思います。

乱文、乱筆読んでくださりありがとうございます。

酒はほどほどに......。

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