Addiction Report (アディクションレポート)

私はスマホ依存症 第2回 原因はきっとストレス。だけど…?

なぜスマホ依存症になったのか振り返ってみると、いくつか原因がありそうでした。今回はその中のひとつ「身体のストレス」について。

私はスマホ依存症 第2回 原因はきっとストレス。だけど…?
この状態で「なんか体調悪いな」くらいにしか思えていなかった

公開日:2025/04/22 06:01

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私はスマホ依存症

前回、「スマホ依存症で人生がヤバい」という記事を書きました。

「何でこんなにひどいスマホ依存症になっちゃったのかな?」と考えると、素直に「ストレスから逃げたかったから」だと思われます。


でも他の人達も、多かれ少なかれストレスを抱えているはず。

サウナ、登山、旅行……。健全なストレス解消の方法っていっぱいあります。

どうして私は、不健全なストレス解消方法「スマホ」を選んでしまったのでしょうか。

原因①ずっと疲れている

私が認識している、一番大きく、解決しづらい問題はこれです。体力がない。

私は8時間半くらい睡眠をとらないと、眠くてほとんど何もできません。

8時間寝ようとすると、9〜10時間くらいベッドにいる必要がありますが、フルタイムで仕事をしているとほぼ不可能です。少なくとも私は無理でした。

生きてるだけで疲れるとどうなるか。何もできません。

紙の本は重いし、めくるのもいや。

映画も観れない。まったく集中できない。

外で遊ぶなんてもってのほか。

生産的な趣味なんて、夢のまた夢です。

原因②身体中が痛い

スマホ依存症が1番ひどかった時期は、一日中ベッドにいました。腰を痛めてしまったからです。



腰だけではなく、さらにヒザまで!

おまけに、むし歯で神経を抜いた歯が、なぜか10年以上ずっと痛み続けていました。

腰、ヒザ、歯。

ひとつひとつちゃんと痛いのに、3つ重なると、もはや何も考えられなくなります。

これに頭痛や生理痛が追加されると、もはやスマホすら触れず、ただうめくだけの芋虫状態になっていました。

原因③病院に行っても治らない

そして、最後のとどめ。

身体の痛みを治したくて様々な病院に行きましたが、痛みの原因は分かりませんでした。

病院に行くのもしんどくて、どこに行くにも数ヶ月かかっていました

病院に行っても原因が分からず、特に病名もつかないとなると、

「じゃあこの痛みは気のせいなのかな……?」

「みんな身体が痛くても我慢してるのかな?」

と思うしかないわけです。

そしてセルフネグレクト、ひきこもりへ

365日、ずっと身体のどこかが痛い。

何かをやりたくても、思ったように身体が動かない。

そんな状態で、自分を大切にしようなんて気持ちは全く起こりませんでした。

厚生労働省*1によると、ひきこもりの定義は「様々な要因の結果として、就学や就労、交遊などの社会的参加を避けて、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態のこと。(他者と交わらない形での外出をしている場合も含む。)」とされています。

私はこの定義に完全に当てはまっていたにもかかわらず、自分がひきこもりになっていることに全く気づいていませんでした

歯の治療と服薬で、体調が劇的に回復

ちなみに2025年現在は、セルフネグレクトとひきこもりからだいぶ脱出しています。

理由としては「歯の治療ができた」「投薬」がかなり大きいと考えています。

10年以上前のむし歯治療の失敗で「根尖性歯周炎」になっていたことが判明し、やっと治療にたどり着けたのです。

歯の状態が悪すぎたため、歯は残せず抜歯になってしまったのですが、治療後は学生の頃から悩まされていた頭のモヤが晴れ、脳のメモリが解放された気分になりました。

また、抜歯があまりにもショックで、歯の治療後に抗うつ薬の服用を始めたところ、腰やヒザの痛みはまだあるものの、ベッドからも少しずつ起きあがって行動できるようになりました。

あまりの楽さに「今まで拷問受けてた?」と思いました

私は「身体の疲れ」と「身体の痛み」から逃げたかった

自分には、スマホを遠ざけるなどの対策が全く効きませんでした。

なぜなら、スマホがなくなっても身体の痛みはなくなりません。それならスマホにかじりついて身体の疲れと痛みをごまかせている方が良いのです。


スマホを使っていて「楽しい」と思ったことは正直ありません。

それでも、あの頃の私にとって、痛みや苦しみをまぎらわすための鎮痛剤としてスマホは機能していたように思います。

ただ痛みに耐えるだけの時間より、どうでもいい情報を摂取して後悔したり、SNSで人と自分を比較して嫉妬をつのらせる時間の方が、全然ましでした。

スマホ依存のクリティカルな原因、それは「心のゆがみ」

そして現在。セルフネグレクトとひきこもりから回復したから、スマホ依存症も治る……とはなりませんでした。

スマホを16〜18時間使っていたのが10〜16時間になり「ヤバすぎる依存症」から「ヤバい依存症」になった程度の回復です。

つまり、スマホ依存症の原因は、身体の不調だけではありませんでした。

私がスマホ依存から抜け出すには、向き合わないといけない「心のゆがみ」があります。

(次回へ続く)


*1 厚生労働省「まず知ろう!「ひきこもりNOW」!」
https://hikikomori-voice-station.mhlw.go.jp/information/
「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000147789.pdf

コメント

1日前
まり

第2回も面白かったです。

偶然にも自分も抜歯直後なので

一文字一文字沁みるみたいに

よく分かりました。

1日前
ぷー

拝読させていただきました。

わたしは2年前に病気になってからいまだに社会復帰できずに家ですごすことがほとんどで、その間にスマホ依存になってしまいました。ちなみに他の依存は10年近く使わずにいられているのですが、スマホに移行したみたいです。

同じように頭痛や体力低下、最近はめまいにも悩まされてほんといいことありません。

外出した日はスマホ利用時間が半減するのでなるべく外出したいのですが、直ぐにスマホに絡め取られてしまい外出の機会を失ってしまいます。

スマホ依存の本を購入しましたが、明日読もう明日読もうですでに1ヶ月以上経ちました。

スマホに時間を溶かしてる時間があったらもっと心が満たされることに使いたいと思うのですが、思いとは裏腹な行動を取ってしまう自分に半ば諦めみたいな気持ちもあったりします。

世界中にスマホ依存の人たち、スマホ依存になってることに気づいていない人たちが自分を含めてたくさんいると思うので、のんたんさんの記事が何かしらの「あれ?わたしも同じような行動してるかも…」みたいな気付きのきっかけになるんじゃないかと思いました。

何か長々と書いてしまいました。何となく今の自分の状況を書いてちょっと楽になりたかったのかも。場違いでしたらすみません!

文書も読みやすくてイラストもゆるかわで何か好きです。今後の連載も楽しみにしていますね。

3日前
まさ

さっそく読ませて頂きました。ほんと疲れてるときの身体とスマホとの相性ったらないと思います。ここまでの経験はなきものの、私も週1の休みで気を遣いながらの立ち仕事なので、休みにすごく疲れが押し寄せてきます。今日は横になるかぁって思って気がつけばスマホを手にし、目的なくネットをさまよい数時間経っていたりします。でもその時って現実の苦しさを忘れるんですよね。また第三回も楽しみにしてます!

3日前
なな

第2回も面白かったです!私も健康になるはずのためのリングフィットで腰を痛めた事があります…。歯の治療&投薬の効果は凄いですね。

3日前
まりえ

続編、楽しみに待っていました。

リアルな経験談なので、すっと自分の中に入ってきました。自分もどうかな?と照らし合わせたり。

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