レッドカーペットを踏まなかった「主役」たち、全国から100人以上が集う(横浜国際映画祭)
2025年5月4日、横浜国際映画祭のレッドカーペット観覧席からひときわ大きな歓声が上がった。映画「アディクトを待ちながら」が正式招待作品として読み上げられた、その瞬間だった。

公開日:2025/05/05 13:31
回復しつづける人に目を向けないエンタメ業界を変える
映画やドラマは、人の心のひだを描きだす映像作品だ。
しかし出演者が薬物依存症だとわかると、彼らを社会から排除することが当然であるかのように上映中止となる。一方、回復中のプロセスは見向きもされない。
当事者や家族たちは、社会から孤立させられてしまうのだ。
この日本の現状を変えたい。
叩くだけでなく再起を応援する社会にしたい。
そんな思いから、本作品ではあえて依存症から回復中の当事者(=アディクト)である高知東生さん、橋爪遼さん、塚本堅一さん、杉田あきひろさん、そして当事者家族らを積極的に起用した。

2024年6月29日からの公開以降、3週間連続の満席を達成。また、公開当初は上映劇場がわずか3館だったにもかかわらず「ミニシアターランキング 2024年7月12日~14日」(興行通信社)で7位を記録した。
以来、上映館が全国に広がるなどの話題作となっている。
この映画の主役は誰なのか?
映画「アディクトを待ちながら」の主演は、紛れもなく高知東生さんだ。
しかし「この映画で主役になったのは誰か?」と考えたとき、ふと、同じように依存症と向き合い回復しつづける当事者やご家族、ともに回復を願う人たちの姿が次々と脳裏に浮かんだ。
今回のレッドカーペットは、多くの当事者や家族の誇りにつながったはずだ。
自分もまた、主役として社会に戻ってきて良いのだと。
レッドカーペットを踏まなかった「主役」たちはこの日、全国から100人以上が会場へと駆けつけた。リカバリーカルチャー(依存症からの回復を応援し祝福する文化)を広めるアパレルブランド「I'm an ADDICT」に身を包み、晴れやかな笑顔で声援を送った。
Addiction Reportは、本作品のキャスト・制作チーム、そしてスタンド席にいた「主役」たちの姿を動画に収めている。彼らのコメントとあわせて、お届けしたい。
「家族に依存症の問題がなければ一生来なかった場所。高知さんたちは映画で依存症のことを発信し、私たちは(I'm an ADDICTの)Tシャツとキャップで発信できる。ともに発信する喜びを感じた」 まこさん
「『アディクトを持ちながら』が、一般の人たちに観てもらえた、社会に受け入れられたことが嬉しかった。レッドカーペットなんてテレビで見るだけだと思っていたけれど、自分がこうして参加できたことが夢のようだった」 なおみさん
「全国各地から100人を超える仲間が応援に駆けつけました。ナカムラ監督作品初出演のみなさんが誰よりも明るく、強い連帯感を感じて感動しました」 ユウさん
「レッドカーペットに全国各地から仲間たちが駆けつけたこと、その一体感が素晴らしかった。その一員なのが誇らしいと思った」 うささん
「映画の俳優さんがレッドカーペットを歩かれた中で『アディクト待ちながら』のメンバーが登場した時が一番盛り上がっていた。その一体感が素晴らしいと感じた。田中紀子さんの溢れんばかりの笑顔が全てを物語っていると思った」 HIRAさん
「一緒に田中紀子さんたちと感動を分かち合えたことがよかった。登場した時に思わず上がった仲間たちからの歓声が素晴らしかった。一体感を感じた」 アゴヒゲさん
「人生初のレッドカーペット観覧体験。めちゃくちゃ、興奮しました。人と人の隙間から、チラっとしか見れなかったから残念だけど、田中紀子さん、高知東生さん、橋爪遼さん、青木さやかさん、ナカムラサヤカ監督、荒井千佳さん、武藤令子さん、どなたもしっかりとお姿をこの目に焼き付けました。何回も観た映画、まさに私達の愛する私達の映画が、こんな華々しい映画祭に出品されて、本当に嬉しいです」 あいさん
「私の未来がこんなことになるなんて想像もしなかった。人生初のレッドカーペット観覧。この瞬間を一緒に共有できたことに感謝。この映画を通して、リカバリーカルチャーが多くの方々に広まり応援してもらえる社会になると確信しました。高知さん、橋爪さんが笑顔で颯爽と歩いている姿に感動しました」 あんさん
「偏見に屈せず弱さを認め表舞台に立つ俳優の皆様の勇気に励まされました! 回復し続ける高知東生さんや橋爪遼さんが胸を張ってレッドカーペットを歩く姿は『人生はいつでもやり直せる』という希望のメッセージでした。映画を通してより良い社会になる『リカバリーカルチャー』がもっと広まりますように。」 まるこさん
「田中紀子さんが、高知さんにレッドカーペットを歩かせてあげたいって言ってたことが実現して、私たちがその場所に立ち会えたってすごい事ですよね。一度は俳優を諦めかけた高知さん、遼くんが笑顔で手を振る姿、無茶苦茶感動しました!本当に横浜に来れて良かった」 TERUさん
「素敵なご縁に恵まれ、映画に少し出演させていただきました。高知さんや橋爪さんたちの晴れ姿を見て感動したのはもちろんですが、自分もいつかそちら側で歩けるよう精進していきたいと思いました」 横山琉斗さん
「『高知東生さんが銀幕の世界に帰ってきて、そしてついに今日はレッドカーペットを歩いている!』 そのことが実感できてくると、自然と目頭が熱くなりました。ご自身の依存症を認めてからここまで、ごまかすことなく徹底して回復に努めてきた姿を私たちは知っています。そんな高知さんがかつて活躍されたフィールドの象徴である、国際映画祭のレッドカーペットを歩んでいる姿に、言葉では言い尽くせないほどの感動と希望を与えてもらいました」 めぐみさん
依存症は、誰でもなる可能性のある脳の病気であり、回復できる。
日本でもリカバリーカルチャーが広がっていくことを、あらためて切に願う。
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コメント
その場にはいませんでしたが、仲間の1人として、心から応援していました。レッドカーペットの感動が伝わってきました。依存症者を家族に持つものとして、リカバリーカルチャーがもっと広まることを願います。
レッドカーペットを踏まなかった「主役」たち
素晴らしいタイトル。
私は、別のセミナーに参加し、同じ場所にはいる事はできませんでしたが、
この映画が認められて高知東生さん、りこさんをはじめ、数々の出演者がレッドカーペットを歩く姿、仲間たちの笑顔、感動しました。
みんなの仲間でよかったと切に感じました。
当日は兵庫で開催されたセミナーに参加しながら、心の中で応援しておりました。
レッドカーペットの動画を拝見し、仲間の存在がどれほど心強いかを改めて実感いたしました。
依存症という病が正しく理解され、リカバリーカルチャーが社会に広がっていくことを心より願っております。
この記事を読んで、思わず涙が溢れました。
依存症の家族として生きてきた私は、当時そのことを恥ずかしくて誰にも打ち明けられず、「もう笑える日は来ない」と本気で思っていました。
それが数年後、こんなにもたくさんの家族と笑顔で、まさか自分の人生で縁がないと思っていたレッドカーペットの場に来れるなんて。
全国から集まった仲間の一員として、回復した依存症の家族が共に過ごしたあの瞬間は、本当に幸せで、パワーに溢れていました。
りこさん、高知さんをはじめ、中村監督、橋爪さん、青木さやかさん、そして出演者の皆さまのおかげで、この感動の瞬間に立ち会えたこと、本当に幸せに思います。心から感謝しています。
レッドカーペットを踏まなかった「主役」たち
なんて素晴らしいタイトルなんでしょう。
自分も参加して、感動しました。
これからもリカバリーカルチャーが広がりますように。
人生で初めてのレッドカーペット。
たくさんの仲間と一緒に体感できたことが感動的でした。
そしてこの記事を読んで、かつては夫のギャンブルの問題で絶望と不安で泣いていた私も、今は仲間と共に笑顔で「主役」になったんだと嬉しい気持ちです。
依存症は病気。
躓いた人の再起を応援できる社会でありたい。
このリカバリーカルチャーを広めるために、私もできることをしていきたいとの思いを新たにしたレッドカーペットでした。
感動をありがとうございました!
映画祭には行けませんでしたが、写真や動画をみて感動しました。皆さんがキラキラして本当に素敵でした。
私もこの仲間の中にいれる事がとても嬉しい。最高です。
感無量です。再起を応援する社会の扉を開けてくれた、そして、その姿を見せてくれた、社会に発信してくれた、関わってくれた全ての方に感謝です。
すごく素敵です。
俳優さん、応援に行っている皆さんの笑顔がパワーになります。
もっとリカバリーカルチャーを多くの人に知ってもらえますように。私も自分の人生を歩めますように。
素晴らしい記事に涙涙…
仲間の笑顔輝く動画に涙涙…
記事を届けてくださりありがとうございました!!
まだ苦しんでいる方々にこの記事が届きますように。
仲間と一緒に、また心震える体験をする事が出来、私の人生でレッドカーペット観覧なんて事が起きるなんて本当に人生は素晴らしいと思いました。
エンタメ、記事で発信していく事で何かが少しずつ変わっていくんだと思えたし、これからも仲間と共に声を上げていきたいです。
このような経験をありがとうございました!!
現地には行けませんでしたが、レッドカーペットを歩くみなさんの晴れやかな姿と溢れんばかりの仲間の笑顔、そしてこの記事を読んで感動しました。
これからどんどんリカバリーカルチャーが広がることを願って、わたしも仲間と一緒に回復していきたいと思います。
本当におめでとうございます!
田中紀子さんの夢が現実になった瞬間、依存症になってもまた回復してやり直せる、そして社会も受け入れる。素晴らしい。青い空とレッドカーペットの赤が
華やかで眩しくて、これからのみんなの未来が明るくなっていくことを予感させる。
あんなに苦しくて、悲しくて、恨んで、恐れて泣いてた家族が、こんな笑顔で手を振って幸せを感じれる日が来るなんて想像できませんでした。
りこさん、本当にありがとうございます。
今は感動の嬉し涙が止まりません。
そんな家族を「主役」だと記事を書いてくれた瑠美さんに感謝します。
青空と白雲が眩しい横浜。そこに敷かれたレッドカーペット。全国から集まった100人の仲間達の溢れる笑顔。タイトルは「レッドカーペットを踏まなかった主役達」。りこさんや高知さん、出演者の皆さんの輝く立ち姿。全てが感動です。現地には行けなかったけど嬉し涙を流しながら映像を見ました。
依存症から回復した高知さんを俳優として「レッドカーペットを歩かせたい」を実現させたりこさん、仲間の皆さん本当におめでとうございます。
私も依存症の家族として元気に生きていきます。
映画祭には行けませんでしたが、動画を何度も見て感動しました。レッドカーペットを踏まなかった「主役」たち、この題名にも感動です。
回復し続けている仲間の中で、私も回復を続けて行きたいと改めて思いました。
タイトルみて泣けます。
レッドカーペットを歩く、ナカムラ監督
高知さん、りょうくん、青木さん、新井さん、武藤さん、りこさん。本当に胸が熱くなりました。依存性の家族がいて、人に言えないって思ってた、今はaddictの服で仲間と応援したこと、誇らしく思います。ここに来れたこと本当に嬉しいです。
私は地元の啓発セミナーで横浜は行けなかったけど、地元から想いを馳せておりました。
そして、地元で啓発セミナーでの役割を果たす事に集中、今年のトピックの担当をしました。
隣県からたくさんの仲間が駆けつけてくれて、マンパワーが足りない地方をサポートしてくれました。
本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。
横浜に駆けつけていたたくさんの仲間も、自分の地元に駆けつけてくれた仲間も、みんな同じ想いでいると思います。
レッドカーペットを歩く姿、動画で見て感動しました。
素晴らしい映画を、本当にありがとうございます。
仲間の中にいられる事に、感謝しています。
上映はもちろん来ました!
楽しみです♪
晴れやかな場所で仲間と喜びを分かち合えたこと、嬉しくて誇らしい気持ちです。この場に立ち会えたことに感謝です。りこさん、高知さん、中村監督、俳優の皆さん、ありがとうございます!
素敵な動画とコメントです!
世間から追いやられる立場から、映画になりレッドカーペットに呼ばれ、たくさんの仲間と喜びあう。
ここまで来るのにたくさんの努力があったと思います。
これからは身内だけではなく、世間にもリカバリーカルチャーが広がり、誰もが依存症は回復できる病気だと広まってくれるといいなと思います。
そのための大きな一歩だと感じました。
改めておめでとうございます!
仲間達のコメントに泣けます。
「レッドカーペットを踏まなかった「主役」たち」ってタイトルがまた泣かせます。
私は依存症の家族で、今はこんなにもしあわせです。
恥を価値に変え、そしてそれを誇りに思える今が人生最高です。
山崎さんが書かれたこの記事を拝見し、いちファンとして胸が熱くなりました。
レッドカーペットを私たちの目の前で歩いてくださったスターの皆さん、そして私たちの思いを形にしてくださったすべての方々に、心から感謝申し上げます。
感動の一言です❗️
レッドカーペットを踏まなかった「主役」は、全国にまだまだたくさんいます。どこにいても気持ちは同じ❗️
回復し続ける仲間と共に‼️
レッドカーペットを踏まなかった「主役」たち全国から100人以上が集う!
まずこの記事の題名に大感動!!
またここには集えなかったけど、この日の晴天と大成功を心から願っていた更に多くの全国の仲間達がいる!
皆の思いが結集した溢れんばかりの笑顔輝く動画にも明るい未来を感じることが出来た!息子のおかげでこんな素敵な世界を知ることが出来た!
今私は息子に心から感謝している。
私に人生で一番大事なことを教えてくれる仲間にめぐり合わせてくれてありがとうと伝えたい。
素敵な記事を発信して下さり本当にありがとうございます。
横浜には、行けなかったけれど、記事を読み、仲間な晴れやかな顔を見て涙が止まりません。
この記事をこれから何度も見返すと思います。
ナカムラ監督がこの映画の前身となる短編を撮影したところから始まったんですよね。
レッドカーペットを歩いた高知さん、橋爪さん、武藤さん、荒井さん、青木さん、りこさんはもちろん、出演者の皆さん、撮影・音楽・編集に携わった皆さん、企画・配給等に携わった皆さん、全ての人の力が結実してできた「アディクトを待ちながら」なんだなと。
本当に素敵な瞬間に立ち会えて、人が生み出すものに宿る“力”を、改めて信じさせてもらえた一日でした。
横浜には行けなかったけど この記事を見て本当に嬉しい気持ちで胸がいっぱいです!
仲間の皆さん ありがとうございます!
ほんと、点と点が繋がった感覚がありました
高知さんと橋爪さんが、レッドカーペットを踏み締めたこと。
側にはりこさんがおられたこと。
依存症になっても、いや、なったからこそ横浜国際映画祭のレッドカーペットを歩けたんだと思うと、回復の素晴らしさをしみじみと考じます
映画も、アディクションレポートも、家族の会も、考える会も、全てが一つになったような気持ちです
あの瞬間に立ち会えてよかったです
この場に共にいられたことは、私の人生の誇りです。
ありがとう、この場所を作ってくれたりこさん!皆さん!
皆が仲間だと思えた日。
仲間の笑顔に心が震えた日。
記事を読ませていただき、感動をありがとうございます。
心が潤いました!
私も現地には行けませんでしたが、とても幸せで嬉しいです。
ありがとうございます!
現地には行けず残念でしたが、仲間が写真や声を共有してくれて、華やかな機会を感じられて幸せでした。リカバリーカルチャーが広がりますように。
レッドカーペットを歩く出演者の張り裂けそうな笑顔とそれを応援する仲間の笑顔。たくさんの笑顔が掛け算になっていっぱい溢れていました。その場にいられなかった私にも伝わったのですから、会場の凄さは素晴らしかったに違いないですね!おめでとうございます🎉
青い空と真っ赤なレッドカーペット。
音楽とともに、高知さんはじめ、俳優の皆さんが満面の笑みを浮かべながら歩く。
白いTシャツの私たちも最高の嬉しさと笑顔。
改めて、映画の感動を思い出し、この映画を作り上げて下さった監督、出演者の皆さん、そしてりこさんに感謝します。
私たちの家族は依存症です。
とても大変な病気に思い悩んだ日々。
あんなに悲しく辛かったのに、今は笑っている自分がいます。
忘れられない素敵な時間となりました。
本当にありがとうございました。
横浜には行けなかったけど、
記事を見ただけでも幸せ
嬉しいです。
だって全力で京都から応援しました!
仲間の声が聞けて、また更に嬉しいです。
ありがとう!!