脱電通!「ダメ。ゼッタイ。」に代わる啓発を
電通マンによって作られた薬物乱用防止のキャッチコピー「ダメ。ゼッタイ。」は依存症の当事者や家族を深く傷つけてきました。これに代わるコピーやポスター、回復体験談を募集しています。
公開日:2024/07/27 02:33
電通マンによって作られたキャッチコピー「ダメ。ゼッタイ。」
日本では薬物乱用防止教育と銘打って、「ダメ。ゼッタイ。」という標語が掲げられてきました。
この「ダメ。ゼッタイ。」は、1980年代に電通と 厚生労働省の監視指導・麻薬対策課が仕掛けたものです。コピーを考えたのは、東京オリンピックで開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクターで、渡辺直美さんに侮蔑的な役を演じさせようとして大炎上し、辞意を表明した佐々木宏氏です。
佐々木氏は、2019年5月に開催された「Advertising Week Asia 2019」でパネラーを務めています。そこで、「28歳で転局しまして、コピーライターになりました。最初は低空飛行が続きましたが、その頃に書いてみんなから馬鹿にされたコピーが、『ダメ。ゼッタイ。」の麻薬撲滅運動、それから『第一志望は、ゆずれない。」の駿台予備校。この2つのコピーが、35年経った今でも使われているということが自慢です。とくに『ダメ。ゼッタイ。』では、酒井のりピーが途中でイメージタレントに。効き目ないです。(笑)」とまるで持ちネタのようにこのコピーを揶揄しています。
薬物依存症は、決して茶化したり、冷やかしたりするものではなく、時には死に繋がるれっきとした精神疾患ですが、製作したコピーライター自身のこのような発言を、電通や厚労省の監視指導・麻薬対策課どう感じているのでしょうか。多くの仲間の死に向き合ってきた私は、とても悲しく、怒りの気持ちもわき上がってきます。
薬物そのものではなく、使った人をダメと決めつけるキャンペーン
そもそもこのキャッチコピーは、「薬物がダメ」なのではなく、「薬物を使った人間がダメ」だと喧伝されてきました。「一度でもやったら、心身はゾンビのようになり、もう二度と抜けられないのだ」と、誇張されたポスターをあなたも1度や2度は目にしたことでしょう。
その上、厚労省の監視指導・麻薬対策課と一緒に(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターが、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動を広め、文科省や自治体など関係各署を巻き込みながら、ゾンビ人間の印象を子供達に植え付けていく、ポスターコンクールを開催し表彰までしてきました。
薬物依存症の当事者・家族は、こうした「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーンに長年苦しめられ、貶められており、我々のような依存症のピアサポーター達も、このキャッチコピーの改正に声をあげ交渉もしてきました。それでも、厚労省監視指導・麻薬対策課は、一向に是正しようという姿勢を見せず、現場の声には耳を傾けて貰えません。
そこでAddiction Reportでは、「わたしたちの未来をひらく依存症啓発キャンペーン」と銘打ち、新たな薬物問題に関する啓発コピーやポスターを募集することにしました。
薬物を1回使ったら人生終わりなどというデマや脅しで予防教育をするのではなく、「薬物に手を出さないことも大事だけれども、万が一、手を出してしまって困ったら相談もできる」「もし依存症なら治療に繋がろう」という、「早期発見・早期治療」「再発防止」「社会復帰」といった、二次予防、三次予防を阻害しないキャンペーンを仕掛けていきたいと思います。「ダメ。ゼッタイ。」では、薬物に手を出してしまった人は、ますます隠すしかなく、「相談する」という基本情報すら与えていません。
「ダメ。ゼッタイ。」を変え、正しい知識を広める作品募集
Addiction Reportでは、これらの現状を変え、正しい知識を広めていく作品を大募集します。
有難いことにこの主旨に賛同して下さり、小島慶子さん(エッセイスト)、赤坂真理さん(小説家)、橋島 康祐 さん(クリエイティブ・ディレクター)、松本 俊彦さん(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部長、薬物依存症センター センター長)という豪華メンバーに審査員をお引き受け頂くことができました。そこにAddiction Reportから編集長 岩永直子と、私、田中紀子が加わります。
詳しくは募集要項を見て頂きたいのですが、現在「ダメ・ゼッタイ」に代わる①キャッチコピー②ポスターを募集しています。優秀作品にはそれぞれ10万円ずつ贈呈致します。すでにキャッチコピーには多数の応募が来ています。是非、絵心のある方はポスターの方にチャレンジして下さい。どんなコンセプトのものを応募するかは、審査員のコメントをご参考になさってみて下さい。
また、薬物に1度手を出したからと言って、人生は終わりではありません。むしろそこからどうやって抜け出していくかが大切です。
依存症は辛い病気ですが回復はあります。そこでもう1つのキャンペーンとして、依存症から回復した人達の体験談を大募集しています。これは薬物に限らず、アルコール、ギャンブル、ゲーム、摂食障害など、どんな依存症であっても構いません。
依存症者のご家族からの体験談も受け付けています。連絡がつくようにして頂ければ、本名でなくアノニマスネームやニックネームでも応募は可能です。最終的に1作品を選んで、人気漫画家である細川 貂々氏に漫画作品に仕上げて頂きます。当事者・家族にとって、きっとよき記念になることは間違いないと思います。こちらも是非奮ってご応募下さい。
コメント
一緒に勉強しましょう。
待ってるよ‼️
国連主導の「国際薬物乱用・不正取引防止デー」のテーマがこんなにも人権に配慮されたものかと、感動さえしました。にもかかわらず、人権に配慮のない方針にがっかりです。もともと、まじめで勤勉な日本人だからこその、「ダメ!ゼッタイ。」でしょうが、日本人の賢さや優しさに響く人権に配慮したメッセージを良しとする風潮がはぐくまれることに、期待したいです。
『私たちはだまされない』
と云うNHKのキャッチコピーがありますが、此れと同じ様に人は騙されやすい。
『人は誰でも薬物やギャンブルを依存し易いから、誘惑されて仕舞う』
だから、誘惑されたら、依存してしまったら、誰かに助けを求めましょう。恥じることでも、自分が弱いからでもないのです。誘惑は誰にでも魔の手は伸びてます。 だから、助けを求め無ければ周りの人にも魔の手が誘惑が起こります。
其れを断ち切る為に助けを求めるのです。 誰にでも出来ることでは無いけれど私たちなら出来ます。何故なら、怖さを身に染みて知っているからです。
助けを求める事は社会を変える事。大切な事です。
①依存症は難病です。でも進行は止められる。
これは、当事者、家族にしか分からないかもしれない。でも、このキャッチコピーによって自尊心を削られ苦しんでいる人がいるんです。
これは病気なんです。根性ではないし、おかしな人でもない。
良い作品が、多数、応募されることを、願ってます。
ポスターが怖すぎる。恐怖を植え付けるのって良いことがないと思う。回復って良いなと思うような、心が温かくなるポスターが良いなと思いました。