トミー・リー・ジョーンズの娘を苦しめた酒とドラッグの依存症
日本では缶コーヒーのCMでも親しまれている俳優、トミー・リー・ジョーンズの娘がドラッグの過剰摂取で亡くなりました。ハリウッドでは著名人の子供の依存症問題が跡を絶ちません。

公開日:2026/01/06 08:14
新年早々、悲しい出来事が起きた。オスカー俳優で、日本では缶コーヒーのCMでもよく知られるトミー・リー・ジョーンズの娘ヴィクトリアが、34歳の若さで亡くなったのだ。
ヴィクトリアは、現地時間1月1日午前3時ごろ、サンフランシスコのフェアモントホテルの14階の廊下で倒れており、救急車が駆けつけた時にはすでに亡くなっていた。彼女の唇や指先の状況から、救急員は、ドラッグの過剰摂取と判断。目撃者も、その直前、ヴィクトリアがコカインを使用していたと証言している。ヴィクトリアは、新年を祝うため、3、4人の友達とホテルに宿泊していたようだ。
過去にもドラッグや飲酒でトラブル
その後の報道で、ヴィクトリアには過去にもドラッグ、飲酒が原因のトラブルがあったことがわかっている。彼女は、事件のあったホテル近くのバーで、酔って騒ぎ、喧嘩をふっかけるとして知られていたとのこと。昨年4月には、ナパ・バレーの自宅に警察が呼ばれ、ヴィクトリアはコカインを使っていたことを認めるも逮捕されるのを拒絶し、手錠をかけられてパトカーで連行されるという出来事があった。その2ヶ月後には、ソノマ・バレーの高級リゾートホテルに宿泊中、夫に暴力を振るった疑いで再び逮捕されている。ヴィクトリアのドラッグと飲酒に関して夫婦で口論になった挙句、ヴィクトリアによるDVへと発展したようだ。
4月の件について、検察はヴィクトリアに、ドラッグ使用をやめ、カウンセリングに通い、抜き打ち検査に応じることと引き換えに起訴をしないという司法取引をオファーしており、今月20日に裁判が予定されていたという。しかし、それを待たずして、この世を去ってしまった。
親子で共演も
ヴィクトリアは、トミーが2番目の妻キンバリー・クローリーとの間に授かった下の子供。1996年にキンバリーと離婚し、2001年に3番目の妻ドーン・ローレルと結婚してからも親子関係は強く、トミーの映画のプレミアに、ドーンとヴィクトリアは一緒に出席したりしている。
ヴィクトリア自身も演技のクレジットがあり、デビュー作は父が主演する「メン・イン・ブラック2」(2002)。父が監督した「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」(2005)ではスペイン語での演技に挑戦した。「演技も語学力もすばらしい」と、当時、父は娘について、誇らしげにメディアに語っていたものだ。最後にヴィクトリアが女優の仕事をしたのは、父が監督する映画「ミッション・ワイルド」(2014/日本劇場未公開)で、12年前。
その後、ヴィクトリアが何か別の職業に就いていたのかどうか、またいつから依存症が始まったのかは、わからない。だが、そのどこかの時期に、彼女は、ナパ・バレーのセハ・ヴィンヤーズの一族に生まれたナヴェック・セハ(44)と結婚していた。セハ・ヴィンヤーズは、ワイン畑で仕事をしたメキシコ系移民一家が創設したワイナリー。ウェブサイトにはワイナリーの歩みが説明されているが、ナヴェックの名前は出てこず、彼、あるいは妻であるヴィクトリアが家業にかかわっていたのかは不明。また、父であるトミーが、ヴィクトリアの直面する状況を詳しく把握していたのかどうかもわからない。
ハリウッドで重なる有名人の子供の依存症
ハリウッドでは、つい最近、有名監督ロブ・ライナーと妻ミシェルが、長年の依存症に悩む次男ニック(32)に殺されるという悲劇が起きたばかりだ。ニックも父と一緒に映画を作ったことがあるが、その後10年、業界の仕事をしてこなかった。父と「ビーイング・チャーリー」(2015)でコラボレーションをした時はドラッグから遠ざかっていたものの、その後逆戻りをし、最近は目が届くよう、両親の家の敷地内のゲストハウスに住んでいたらしい。母は「ニックの依存症とメンタルヘルスのためにできることはすべて試した。これ以上どうしていいのか」と、身近な人に悩みを語っていたという。
有名人の子供が、その葛藤もあって依存症に陥った例については、以前の記事に書いた。だが、不幸なことに、例はほかにもまだある。
たとえば、トム・ハンクスとリタ・ウィルソンの息子チェット・ハンクス(35)も、ドラッグの依存症でどん底を経験した。幸いにも、ここ3年はドラッグと完全に距離を置き、健康な生活を送っているようだ。トムには、最初の妻との間に息子コリンと娘エリザベス、再婚相手リタとの間にもうひとり息子トルーマンがいる。コリンは俳優として活躍、トルーマンも父の主演作「オットーという男」(2022)に出演。チェットも俳優としてテレビドラマに何本か出たほか、音楽の活動もする。チェットは過去に、自分のことを「家族の黒い羊」、つまり出来損ないだと揶揄するようなコメントをしていた。
シェールとグレッグ・オールマンの息子イライジャ・オールマン(48)も、昨年6月、ドラッグの過剰摂取で死の危機を経験した。イライジャがドラッグを使い始めたのは、11歳の時。マリファナから入り、オピオイド、コカイン、ヘロインにも手をつけた。立ち直るためのバトルは厳しく、イライジャが毎年父の遺産として受け取っているお金をすべてドラッグに使ってしまうと危惧したシェールは、2024年、成年後見人となってお金の管理をしたいと裁判所に申告している。
また、ドラッグやアルコールではないが、ブルース・ウィリスとデミ・ムーアの三女タルーラ(31)は、美貌で知られる母に顔が似なかったことを悩み、摂食障害をはじめ、心の病に苦しんだ。デミ自身も、ハリウッド女優としてのプレッシャーから、若い頃、摂食障害に陥ったことを回顧録で明かしているが、わが娘がその方向に行くのを止めることはできなかったようだ。しかし、心理カウンセリングのおかげもあり、タルーラは今、ようやく、自分を「醜い」と嫌い続けるところから逃れられたようである。
トミー・リー・ジョーンズの娘さんの依存症について、この最悪の事態まで世間が知らなかったように、見えないところでこの問題と闘っている家族は、ほかにももっといるのだろう。始まったばかりの今年、辛いニュースが増えないことを心から願う。
コメント
本当に悲しい。これから仲間と分かち合い治療ができたはずなのに、無念です。
何とも痛ましい。
私の家族もギャンブル依存症であるので、ご家族の苦しみを想像してしまう。
本人も周りの人たちも辛くなる病だ。
今、依存症で苦しんでいる人が、何らかのサポートによって状況が良い方に変わることを祈る。
悲しい事件に心が痛みます。本当に依存症の家族は辛いです。
何と声をかけていいのかわからないですが、もうこのような辛い思いをする人を減らしていきたいと思いました。
