合唱コンクールで依存症を啓発してみよう! 自前のコンクール「Chapter2~人生の第2章~再起を応援する社会へ」創設
全国ギャンブル依存症家族の会で合唱コンクールに出場し、合唱の持つ力に気づいた私たち。なんと今年は自前の合唱コンクール「Chapter2~人生の第2章~再起を応援する社会へ」を創設し、再起を図る人たちの出場を募集します。

公開日:2026/01/02 02:00
2025年6月、NPO法人「全国ギャンブル依存症家族の会」の仲間たちと一緒に、一般社団法人全日本合唱連盟と朝日新聞さんが主催する「おかあさんコーラス」なるものに参加しました。
なぜ、ギャンブル依存症者の家族がコーラス?と思われるかもしれませんが、これも実は啓発の一環で考えたことでした。
当事者と家族以外にも広めたい
私たちのような民間団体が主催するギャンブル依存症のイベントや啓発はもちろんのこと、厚労省等の官公庁や市区町村が主催する啓発やイベントも、結局のところ当事者と家族しか集まらないという課題がもう何年も取り沙汰されています。「関係者以外に来てもらわないと意味なくない?」。実に頭の痛い問題です。
さらに私たちの活動を知ってもらうと、大抵の人が「もっとマスコミに出て」とか「マスコミに取材してもらったら?」なんて言われるので驚くことがあります。なぜなら私達は結構たくさん取材も受けているし、ギャンブルに関する大きな事件などがあると、それこそ急激に忙しくなって、取材対応で大わらわなんてことがしょっちゅうあるからです。
でも、皆さんの目に全然触れていない。全く気づかれていないんです。これは何故かと考えてみると現代社会はニュースもYoutube で見ている人が多く、自分の興味関心のあるものしか表示されなくなっているからではないかと思います。ですから知らぬ間にものすごく情報が偏っていくんですよね。文字のニュースもしかり。皆さんもそうだと思いますが、それこそ山のように溢れているニュースの中から、自分に興味のあるものが通知されてきますよね。
ですからメディアを通じた啓発活動も、昔ほどの波及効果がなくなっており、目にする人はやたらと目にするけれど、全く届かない人には届かないという二極化がどんどん進んでいます。
でも、ギャンブル依存症問題は決して他人事ではありません。いつどこで誰に降りかかってもおかしくない病気であり、正しい対処法を知らないと、当事者だけでなく、家族や友人・知人、会社も巻き込まれ、皆が不幸になってしまいます。場合によっては、犯罪に繋がり、最悪のケースでは、自死や殺人も起きています。
ですから当会や家族会は、「早期発見・早期回復を実現するために国民全員に正しい知識を持ってもらうこと」を目標に活動しています。
そこで「依存症なんて、全く関係ないわ」「うちは誰もギャンブルなんてやらないし」「ギャンブル依存症なんて遠い世界のお話よね」と思っている方々に知ってもらうには、あちらから来てもらうより、こちらから出かけて行こう!という考えに至り、依存症とは縁遠いと思われているであろう「コーラス」の世界に出場を決めたのです。
コーラスなら特別な道具も必要ありません。しかも優勝を目指すのではなく、私たちを知って貰うのが目的ですから、出場さえできればいいのです。
「そんな団体あるの?」「ギャンブル依存症って何?」驚きの声でざわめく会場
こうしてコンクールへのエントリーを決めた私たちの目論見は見事的中しました。代表となった野崎 彩によると、登壇順を決めるくじ引きでは「全国ギャンブル依存症家族の会 コーラス部」とアナウンスすると、会場にどよめきが起こったそうです。
おそらく「そんな団体があるの?」「そんな人たちが顔出しで出てくるの」「ギャンブル依存症って何それ?」といったところでしょうか。皆さんの驚きは想定内でしたので、むしろ我々としては「やっぱりね!」と、少し嬉しくも面白くもありました。
さらに想定を大きく超えた反応としては、主催の朝日新聞さんが初出場の我々を東京版で全面記事にして下さったことです(ネット記事でも配信)。
まさかコーラスでここまで大きな特集にして下さるとは思ってもおらず、嬉しい誤算でした。私たち自身もセルフスティグマに打ち勝ち「恥ずかしい」気持ちを乗り越え、顔出し、実名で堂々と取材を受けました。かけがえのない仲間に囲まれている自分たちを誇りに思えました。
やり出したら本気に!マーガレット賞を受賞
そして、出場できればこっちのもの位に思っていたのに、やり出したら案外というか、ものすごく楽しくなりプロの指導者にお願いして、歌唱と振り付けを見て頂くことにしました。そして練習に励み、惜しくも全国大会の出場は逃しましたが、審査員特別賞にあたる「マーガレット賞」を受賞させて頂いたのです。

こうして私たちはコーラスの魅力とコーラスが持つ力に気づいたのです。
コーラスとは、声が出る仲間が集まれば誰でも簡単に始められます。カラオケもそうですが、思いっきり声を出して歌うことはストレス解消になり、気分転換ができます。さらにコーラスはカラオケと違い、仲間達との一体感や所属感が味わえます。
そしてコンテストに出ている人たちは、それほど優勝とか入賞にこだわってもおらず、出場すること自体を楽しんでいる様子です。
私たちは「こんなに簡単に楽しめて、仲間との一体感を感じられて、しかも歌にはメッセージ性がある。こんな世界があったのか!」と目からうろこが落ちる思いでした。しかも指導をして下さった中村隆太先生によれば日本は世界的に見てもアマチュアコーラス人口が多い国なのだそうです。
これは啓発に利用しない手はない!コーラスと依存症の啓発をマッチさせたら、一つのリカバリーカルチャーになるのではないか?と思いました。
自分たちで合唱コンクールを主催 困難から再起する人が出場
しかしいくら手軽とはいえ、経験のない素人が全くの指導者なしでの練習というのも、なかなか難しいのです。録画して自分たちで見てみても、良いんだか悪いんだかも良くわかりません。そしてコンクールに出場するには、大抵の場合数千円から数万円のエントリーフィーがかかります。だったらこれらの経費を全部無料にすれば、もっと多くの人が参加できる、我々らしい取り組みのコンクールが実施できるのではないか?そう考えて、私たちはたった1回のコンクール出場から、なんと合唱コンクールを主催することにしたのです。
私達らしい合唱コンクールにしたい!
この思いから、「Chapter2~人生の第2章~再起を応援する社会へ」のコンセプトは生まれました。
まずこのコンクールは、性別、年齢問わずだれでも参加でき、病気や何かしらの失敗で夢破れたり、社会からドロップアウトし孤独や孤立を経験した方々がその困難から立ち上がったというグループ、もしくは現在辛い状況にある人達にエールを送りたいというグループに参加して頂こう!ということになりました。
そして
- 参加費は無料にしよう。経費は自分たちで寄付金を集めてなんとかしよう。
- 児童養護施設や介護施設、依存症等の回復施設、グループホームなどにいる方々にも参加して頂けるように広報してみよう。
- 合唱に初めて挑戦する方々のために、相談事務局を設けて曲選び、指導者探し、衣装の相談などなど、気軽に相談できるようにしよう。
- 資金的に厳しい状況にあるチームには、指導者を3回まで無料で派遣し、交通費もこちらで支給しよう。
- 各チームの合唱終了後、審査までの待ち時間の間に、芸能人の方にミニコンサートを開いて頂き、楽しんでもらおう。
- 審査員は、合唱の専門家だけでなく、当会とつながりのある芸能人の方々にもお引き受け頂こう。順位はつけず、各審査員賞にしよう。
- 当日配布するパンフレットややノベルティでギャンブル依存症の啓発をしよう。
と、こんな風変わりで、しかも今どんな状況にある人達でも楽しんで貰えるよう、出場者の金銭的負担を排除したものにしたのです。
審査員長には、私たちの指導者でもある中村隆太先生にご就任して頂き、色々ご教示願っています。
さらには私たちの仲間でもある芸能人の高知東生さんも審査員に加わってくれます。今後、芸能人審査員の方も決まり次第、随時発表して参ります。
審査員と出場グループ20組を募集中
審査員を引き受けてもいいよ!と仰る芸能人の方はご連絡お待ちしております。
コーラスという新しいフィールドで、依存症の啓発もやりつつ、人生誰にでもある逆境から立ち上がっていく勇気が持てるような、そしてその勇気を応援するような、コンサートにするつもりです。
開催日時:2026年6月6日(土)10時30分 ~ 18時30分(予定)
会場:銀座ブロッサム ホール(東京都中央区銀座2-15-6)
1団体2名以上、50名以下
限定20組です(※ 20組を超える団体の申込みがあった場合は抽選となります)。受付締め切りは2026年1月31日(土)です。ご応募お待ちしております。
特設サイトとお申込みはこちらから。
