Addiction Report (アディクションレポート)

「水原一平は朝から晩まで常に賭けていた」 胴元が明かすギャンブル依存症の深刻度

ギャンブルで大谷翔平選手の金を使い込んで、有罪となった元通訳の水原一平。アメリカの最大手スポーツ専門テレビ局ESPNは、ポッドキャストで彼が違法ギャンブルで巨額の借金を背負うようになった裏側を明かしました。

「水原一平は朝から晩まで常に賭けていた」 胴元が明かすギャンブル依存症の深刻度
ポッドキャストのカバー画像(ESPN)

公開日:2026/08/18 02:01

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大谷翔平選手の元通訳、水原一平は、その世界のプロも舌を撒くようなギャンブル依存症だった。ESPNのポッドキャスト「The Betrayal of Shohei Ohtani」が、水原が違法ギャンブルで巨額の借金を背負った裏側を明かした。

2年間に賭けた回数は1万9000回

ボウヤーが初めて水原に会ったのは、2021年、エンゼルスがパドレス戦で遠征していたサンディエゴ。試合を見に行ったボウヤーは、友人がエンゼルスの選手の知り合いだったことから、試合後、個室で行われるポーカーゲームに招かれた。そこにいたひとりが、水原だ。

水原がオンラインでのギャンブルに興味を持っていると知ったボウヤーの部下は、ボウヤーのサイトで賭けをするように誘った。ボウヤーには50人ほどの部下がおり、客がボウヤーのサイトで賭けをすると、そのコミッションをもらえる。

その段階で、ボウヤーは、水原と大谷選手のつながりをまるで知らず、部下が連れてきた新客に過ぎなかった。しかし、1ヶ月もしないうちに、水原が非常に頻繁に、しかも大金を賭けることに気づく。そこからボウヤーは直々に水原を担当するようになった。

「彼の賭け方は尋常じゃなかったよ。私自身、ほかの誰よりも派手に賭けるギャンブラーだ。しかし、私は普通に毎日を送ることもする。夜はちゃんと寝る。水原は夜中もずっとギャンブルをするんだ。常に賭けている。あんなのは初めて見た」と、ボウヤーは振り返る。

水原が2年間に賭けた回数は、なんと1万9000回。平均すると、1日20回以上だ。

「しかも、彼は、勝つのが最も難しいものに賭けるんだ。たとえば、ウクライナ対トルコのサッカーの試合とか。サウジアラビアに10万ドルを賭けたり」

「ギャンブル依存症であることは間違いない」破滅しないようにうまくコントロール

ESPNの記者ティシャ・トンプソンに、「(水原)一平はギャンブル依存症だと思いましたか?」と聞かれると、ボウヤーは「間違いない」と断言。

「彼は穴から抜け出そうとして、より大きく賭けた。たぶん負けるとわかっていてそうする。そのせいでより穴の深いところに落ちてしまう」

ギャンブル依存症の客をどう扱うのかという問いに、ボウヤーはこう答えた。

「うまくコントロールしていく。その人から金を稼ぎつつ、その人が破滅してしまわないようにね。そのバランスは難しい。私はそのバランスをほかの誰よりも上手に取ってきたと思うよ」

脅しのテクニックで取り立て

客から取り立てるのも、彼の商売のひとつだ。だが、相手を脅すのに、銃を持ち歩く必要はない。

「夜の11時に家のドアをノックし、『金はどこだ』と聞く。特段怖い声で言わなくてもいい。その隣に、すごく体の大きい、顔にタトゥーを入れた男が黙って立っていたりしたら、十分。夜の11時に誰かが来て妻がドアを開けたらそこにはそんな人たちがいたとあれば、不安になるものだ。その妻の夫はギャンブルで借金を作り、胴元が電話して取り立てようとしても出ないから、そんなことになった。このやり方はかなり効果がある」

水原は、膨らみ続ける借金を払うために、大谷選手がアメリカに来たばかりの頃に開設したバンク・オブ・アメリカの口座から勝手に送金をした。その口座からボウヤーに支払った金額、すなわち大谷選手から盗んだ金額は、およそ1700万ドル。だが、それで全部を払い切ったわけではない。水原の借金の総額は4000万ドルほどに上る。つまり、ボウヤーにはまだ取り返すべき金があったのである。

電話に出なくなった水原にも、ボウヤーは、脅しのテクニックを使った。犬を散歩させている大谷選手の近くにいるふりをし、返事をしてくれないなら大谷選手に聞いてみるという内容の携帯メッセージを送ったのだ。そのメッセージを送った時、ボウヤーは自宅にいた。だが、知り合いが大谷選手の姿を見たのは事実だったという。

「その瞬間(知人がたまたま大谷選手を見たという瞬間)を利用しただけ。実際、そのメッセージの後、一平はすぐ電話をしてきた。私が望んでいたのはそれだ」

大谷選手がマウンドに立っている瞬間も賭けて

水原からの送金が大谷選手の口座からなされていると気づいた時、ボウヤーは、水原が大谷選手の代理として賭けているのかと思ったこともあった。しかし、大谷選手がマウンドに立っている瞬間にも賭けが入り、そうではないとわかった。紛れもなく、水原は自分のために賭けていたのだ。

トンプソンの取材で水原は「(ボウヤーのウェブサイトでのギャンブルで)一度も勝ったことはない」と言ったが、それは嘘。実は勝ったこともある。しかし、その儲けを大谷選手の口座に戻すことはしなかった。FBIの捜査でも、水原の口座から大谷選手への口座への金の移動は一度もなかったことがわかっている。また、歯医者代が必要な時、大谷選手に相談し、6万ドルの小切手をもらったのだが、水原はそれを自分の口座に入れ、大谷選手の口座からまた金を盗んで歯医者代に充てた。

さらに、水原は、大谷選手から盗んだ金でベースボールカードを購入してもいる。ベースボールカードを集めるのは、高校在学中からやっていたことらしい。高校時代の同級生は、水原がベースボールカードやビデオゲームなどを買っては転売するのを得意としていたと語っている。大谷選手の金で買ったベースボールカードをどうするつもりだったのかは不明。大谷選手の弁護士は、これらのカードが大谷選手の手にわたるよう裁判所に申し立て、承認された。

回復への努力を願いたい

現在、水原はペンシルヴァニア州の刑務所にいる。出所しても、それで終わりではない。彼は大谷選手とIRS(税務署)に金を返す義務がある。総額1,800 万ドル(現在の換算レートでおよそ29億円)という金額は、普通の人が一生かかっても稼げるものではない。出所後には、3年の監視期間がある。

 逮捕後、保釈金を払って釈放されるための条件として、判事は水原に依存症の回復プログラムに参加することを命じた。水原の弁護士は、際に彼が刑務所入りをするまでの期間、週3回、オンラインで回復プログラムを受けたと述べている。刑務所入りしてからも回復に向けて何かしているのかどうかはわからないが、出所後の監視期間、それが条件とされるかもしれない。

米国籍を保有しないことから、出所後には強制送還される可能性もあるようだ。どこに住むことになっても、残りの人生に向けて回復への努力を続けることを願いたい。

 

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